2020年5月12日 がんの大きな原因は「たばこ」と「運」…だからこそ早期発見を

がんの発生原因の半分以上が、喫煙、飲酒、食事、塩分過多、運動不足などによるものです。そして、男性のがんの5〜6割、女性のがんでも3割程度が、予防できることが分かっています。

なかでも、がんにならないために一番大切なことは、「たばこを吸わない」ことです。たばこの煙には数十種類の発がん性物質が含まれていて、これがDNAに結合し、細胞のコピーミスを起こしやすくするのです。

たばこがなくなればがん死の25%が消滅

たばこは、がんの最大の原因で、日本からたばこがなくなれば、日本人のがん死亡の約25%(男性では約40%、女性では約5%)が消滅します。また、受動喫煙もがんを増やします。とくに、肺がんのリスクは、受動喫煙により3割も増えます。

たばこのパッケージの裏には、「喫煙は肺がんの原因になる」という警告文が書かれています。これは間違ってはいませんが、誤解を与えます。たばこは、ほとんどすべてのがんを増やすからです。たとえば、肺がんによる死亡率は喫煙で4.5倍になりますが、喉頭がんでは30倍以上になります。

今の警告文では、ヘビースモーカーが肺がん検診ばかり受けることになりかねません。「喫煙はがんの原因になる」と記載するべきだと思います。

コロナウイルス感染症でも、喫煙者は重症化するリスクが高くなります。さらに、喫煙スペースはまさに「3密」の場所ですから、非常に問題です。これを機に禁煙されることを勧めます。

アルコールはたばこの発がん物質を活性化

さて、私もお酒好きですから、あまり偉そうなことは言えませんが、アルコールでもがんは増えます。特に、お酒とたばこが重なると、がんの危険は一気に高まります。

アルコール関連の酵素は、たばこの発がん性物質をより活性化する可能性があります。喫煙者の男性が、1日平均2〜3合飲むと1.9倍、3合以上では約2.3倍、がんにかかるリスクが高くなります。特に大腸がんでは、1日平均2合以上のお酒を飲み、かつ、たばこを吸う男性の場合、どちらもやらない人に比べ、発生率が約3倍となります。もし、お酒も飲まず、たばこも吸わなければ、男性の大腸がん患者は約半分になる計算です。

たばこを吸わないこと、お酒を控えること以外では、野菜や果物を欠かさず、塩分を控えて、運動を心がけ、太りすぎずやせすぎないことが大事です。女性の場合は、赤ちゃんを母乳で育てた人の方が、乳がんにかかる確率が確実に低くなります。

ただし、ベジタリアンにがんが少ないわけではありません。肉、魚、乳製品を含めて、バランスのよい食事がオススメです。焼き魚や焼き肉の焦げも、少しなら問題ないでしょう。運動は、できるだけした方が、がんの予防になります。

発がんには「運不運」も関係

男性の場合、おおまかに言って、がんの原因の3分の1がたばこ、もう3分の1が酒やその他の生活習慣ですが、残りの3分の1はどうすることもできません。

私も 膀胱がんになりましたが、膀胱がんを増やす要因として分かっているのは喫煙だけです。私はたばこを吸いません。私が膀胱がんを患った理由など分かりません。強いて言うなら、「運が悪かった」ということでしょう。

がんは100%「生活習慣病」というわけではなく、「生活習慣が原因になる病気」だということです。発がんには、運不運も関係します。生活習慣とともに、早期発見が大切なのは、このためです。