トップページ知って得する講座睡眠と食事の改善 それはお金があればなんとかなるのか?

睡眠と食事の改善
それはお金があればなんとかなるのか?

ニースと東京を行き来する「食人」松嶋啓介さんと睡眠スタートアップ「ニューロスペース」CEOの小林孝徳さんによる
Forbes JAPANの「食と睡眠対談(全3回)の2回目を転載しました。
働いている方に、ぜひ、一読していただきたい内容です。

Forbes JAPAN ライフスタイル 2019/11/18 編集=鈴木奈央

食と睡眠は人間の「三大欲求」であるのに、当たり前のことすぎて軽視されがちだ。その大切さに気づくのは「体を壊してから」という人が多いのが現実かもしれない。違う言い方をすれば、働く人において、それらの欲求は「仕事」より優先順位が低かったりする。

その「仕事」については、近年、働き方改革で勤務時間短縮やリモートワークが推進され、少しずつ機運が変わってきている。一部の企業や有識者はの間では、「仕事」を軸にするのではなく、「生活」を改善することで仕事を好転させようという動きもある。

では、食や睡眠にまつわる問題は、企業がケアすべきなのか? または個人でも、お金をかければどうにかなるのだろうか? それとも……?

ニースと東京を行き来する「食人」松嶋啓介と睡眠スタートアップ「ニューロスペース」CEOの小林孝徳による食と睡眠対談(全3回)。quantumと博報堂でクリエイティブディレクターを務める原田朋のモデレートのもと、第2回はできそうでできない「自己管理」について。


原田:人材不足が叫ばれる中、これからは従業員のライフスタイルをケアする企業にいい人材が集まっていくように思います。実際、そのことに気づき始めている経営者も出てきていますね。

松嶋:でも、家庭で考えなくなったから社長が考えるって変な話ですよね。プロが働く場所なのにプロのコンディションを作ってこないなんて。ある程度は会社が追い込んでいる面もあるかもしれないですが、それは会社がやるべきことなのか?

もしスポーツ選手だったら、自分でコンディション作れなかったら即クビですよ。いくらたくさん練習しても、本番で結果を出せなかったら意味がない。だからコンディションが大事。ビジネスパーソンも同じです。お金をもらって働いているプロなのだから、自己管理もできずにビジネスパーソンなんて言っちゃいけない。甘えですね。

小林:スポーツ選手は個を求められるが、日本の企業は個を大事にするよりも、企業に従わせることを大事にしている気がする。睡眠を犠牲にさせたり、ストレスをかけたり、自由をなくしたり、思考をさせないようにしたり……。

そのサイクルの中で十分な睡眠を取れないから、脳が変容し、扁桃体という部分が過剰反応して怒りっぽくなる。責任転嫁やイライラが増えて人間関係が悪くなる。そうして苦しんでいる中で、少しでも自分の承認欲求を満たすために「自分は寝なくても平気な人」アピールをするような、歪んだ仕組みになってきている。

食と睡眠が変わると、思考が変わり、行動が変わり、人格まで変わってしまう。でも日本はその辺りのケアが海外と比べて遅れていますよね。

松嶋:そういえば、奥さんに「味噌汁おいしいね」と言うようになってから何か変わりました?

小林:変わりました笑。僕は6年前、26歳のときに起業したんですけど、当時はひとりぐらしで、ストレスの発散方法といえばペヤングソース焼きそばや甘いもの、ユーチューブぐらいしかなかったんです。

それが結婚して変わりました。「食」って質素でも誰か人と食べるとおいしいし、特別な時間が流れる。いまはすごく幸福感を感じていて、何を食べるかも重要だけど、誰と食べるかも重要な気がしてます。

原田:僕も単身赴任していた時は、睡眠時間など「量」は気にしていたし、食事も炭水化物とか野菜とか栄養素みたいなレベルでは気にしていましたが、食べたものが脳や気持ちにどう影響するかまで考えたことがなかったです。

松嶋さんは最近「おちつかせる食事」についてお話しされていますが、ビジネスパーソンはどんなことに気をつければいいでしょう?

松嶋:人は実家を出ると、今まで自分の食事を管理してくれていた「母というアプリ」がなくなります。そして、自分でなんでも決めていかなければならなくなる。自分の稼いだお金で食べるものを決められるようになりますが、どんな食べ物を選べばいいのかの指標がないんですよね。

「母というアプリ」は子供が大好きで、ものすごく経験値を持っています。子供が大きくなっても、母は常に子供の成長を祈り、子供が成長し続けられるよう工夫し続けた食事をつくってくれる。ディープラーニングのように進化するんです。きっとsiriより賢いですよ。

親元を離れてこのアプリがなくなったときに大切なのは、自分で自分の体に向き合える術を持っているかどうか。会社で怒られたり、仕事で疲れたりした時に、自分でその状態に気づけるかどうか。親は気づいてくれるけど、自分ではなかなか気づけない。

こういう食べ方したほうがいい、こういうもの食べた方がいいとかは、お金でどうにかできる資本主義的な解決。お金やもの以外で解決できる部分、「自分の行動を見直さない現状」を見直すべきですね。

原田:小林さんは睡眠のアプリを開発していますよね。睡眠の特性として、寝ている状態を自分では実感できないと思うんですけど、このアプリを使えば、睡眠の領域で「自分を見直すこと」ができるようになるのでしょうか。

小林:睡眠の一番難しいところは、睡眠が無意識下で行われるため、その価値を実感しづらいことです。だからテクノロジーを活用して、体内時計がどう動いているのか、睡眠が足りているのか、その人の等身大の睡眠を数値化してあげる。数字で目視できるようにすることで、昼間どう過ごすべきかの行動変容を起こさせたいと思っています。

昼間の行動は眠りに影響するし、睡眠が昼間の行動に影響する。この二つは表裏一体です。だから意識しづらい睡眠をいかに意識できるものにするか、人生の表舞台に出していくかが難しいところで、努力しています。

原田:昼間の過ごし方が夜の眠りに影響するという話はまだメジャーじゃないと思いますが、夜眠りやすい昼間の過ごし方ってあるんですか?

小林:あります。一つは、太陽の光を浴びること。今日もそうですが、曇りや雨の日も野外は明るいですよね。この光を浴びたタイミングでメラトニン分泌がストップして覚醒していく。つまり、朝昼に浴びた光が夜の眠気を作って、睡眠のリズムができているんです。

食の観点でも、血糖値をあげるようなものを摂取することで「朝だ!」というのを体に認識させる。時差ぼけの調整でも使えるテクニックですが、こうやって朝昼晩で食べるものの内容を変えていくことで、生活のリズムを作っていく。それらがすべて、夜の眠気に影響していきます。

原田:食事の話が出てきましたけど、よく眠るための食事のポイントはありますか?

松嶋:前回の記事にも出たように、今のビジネスパーソンは「体」よりも「脳」が疲れる働き方をしています。しかし、寝るというと「体」を休めるために横になればいいと思っている。「脳」のことを考えていないから、興奮する(交感神経を刺激する)ものを食べ続けている。寝る前のチョコとかね。

また、自律神経の観点から見ると、落ちつかる副交感神経は実は脳だけじゃなく「腸」から出ていることも多い。だから脳と体だけでなく「腸」のことも考えないといけない。

それなのに、現代人は寝る時に胃が活発に動いていることがとても多い。でも、寝てる間はなかなか消化が進まない。本来寝てる間は吸収と回復をするべきなのに、そのエネルギーが消化に費やされることで回復と吸収をする余地がない。するとどんどんすり減ってしまう。

だから、「これを食べたら脳を刺激するな」とか「今食べたら胃に負担がかかるな」とか、食べ物が体にどうアプローチするかを考えて、オフモードに入る準備をすることが大事ですね。

小林:睡眠もオンとオフの切り替えが大事です。睡眠時って完全に脳が休んでいると思っている人が多いと思いますが、レム睡眠の時は起きている時と同じぐらい脳が働いて、記憶の整理とか心の整理とかをそこでしているんです。

松嶋:世界を陰と陽に分けると、イスラムは陰の世界で、彼らは死に向かって生きていると言われています。どうやって良い死を迎えるのかという美学。そのために食べるものもちゃんと選ぶ。しかし、僕らはそいういう準備をしていない。寝るために食事を考える意識なんてないですよね。

原田:昼間が忙しいからこそ、夜は楽しもうみたいな考え方をしてしまいがちで、むしろ興奮する食事をとる。金曜の夜はともかく、毎日そういう人も少なくないはずです。

松嶋:多くの人が、睡眠を「スイッチが切れたから充電すること」と思っている。でもそれではダメで、切れないようにする事が大事です。人間の体は賢くできていて、寝てる間にアップデートするから。だから寝る前に、「アップデートのための準備しなきゃ」と、そういう感情を持てるかどうかですね。

原田:寝てる間にアップデートを準備する……面白い視点ですね。普通はオフにすれば休めるものだと思っちゃいますよね。

松嶋:iPhoneと同じです。「あれ? 今日アップデートする予定だったけど容量が足らなくて、朝起きたらできてなかった」みたいな。ほとんどの人がそういう人生を送っているわけですよ。ビジネスや社会をアップデートしようとか言ってるのに、自分をアップデートできてない。

小林:睡眠も似たようなところがあります。人が起きて活動している状態は、パソコンでいうと、稼働してオンラインの状態なんですね。一方「レム」は外界との繋がりが遮断され、オフラインだけど稼働している状態。「ノンレム」とかディープスリープとかになると完全に収束して、ストレージの整理とかをしている状態です。人の睡眠の状態も、パソコンの情報を整理してチャージする状態に例えられますね。

原田:眠るという回復行為をもっと能動的に捉えて、そのための食事をどうすべきかの思考が必要ですね。体はどこかで「これじゃまずい」というサインを発してくれているはず。忙しいとそれを感じ逃しちゃうものなんですかね?

松嶋:頑張りすぎちゃうと、それって顔に出ますよね。でも自分の顔色って、朝鏡を見ればわかるけど、今日はどうかなって毎日チェックしている人がどれだけいるか。「母というアプリ」があれば気づいてくれるだろうけどね。もしくは一緒に食事をとってくれる人がいれば気づいてくれるでしょう。

自分自身について気づくのは難しい。他人について気づいてあげる習慣が、助け合いを生むんじゃないかなと思いますね。



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