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私たちの主食は何ですか?

書名「杏の花が咲く頃に」が重版出来ましたという読売新聞一面下の広告の「重版」に惹かれて求め、読みました。副題は『ある老医師からの「食」への遺言』です。

佐用町の農家の方と知り合って、精米したてが美味しいことを知りました。
焙煎したてのコーヒー豆を挽いて淹れるのと同じです。
奥藤酒造の搾りたてのお酒の美味しさも同様です。

作用町の方から5キロを精米していただくのですが、夕食だけでは、美味しいうちになかなか消費しきれません。「杏の花が咲く頃に」を読んで、お昼に一膳食べるようにしました。

私たちの主食は何ですか?
根本達也著「杏の花が咲く頃に」より、45〜50頁を転載

「往診で患者さんの自宅を訪問すると“生活”の中に病人が居るっていう事が分かりますよね。今までは病院の中の病室や外来で患者さんを診察していたので患者さんの生活、環境、人間関係がよく分からなかったのです。往診が始まってそういう事やなぜ病気になってしまったのかが少し分かるようになった気がします。それに自宅での患者さんの臨終に立ち会った時には家族につられてもらい泣きしてしまう事が多くなりました。病院時代にはそんな経験はあまりありませんでしたけれど」

「“生活感”の少ない病院での診療から、自宅という“生活感”の中での診療というわけじゃな?」

「そうなんです。だからこそ医者自身に“生活感”を要求される事が今回よく分かりました。自分に“生活感”が乏しかったので反省させられる事ばかりです」

「本田先生もバリバリの外科医だったんで生活感とは対極にいたわけじゃ。武者修行の期間はある程度仕方がなかったとして、これからはそれを償う事になるんじゃね」

「結局そうせざるを得ません」

「実はこのわしも十数年前には今の先生そのものだったんじゃ。その頃から、これじゃいけないって基本的な生活って何かを考え始めたんじゃ」」

「基本的な生活? まずは食べることですか?」

「その食べることの基本を我々が勘違いしていることにある時気が付いたんじゃ。それはわしが昔内科の勉強をやり直している時に、医師の図書室の資料が足りなくて栄養士向けの雑誌の隅々まで読んでいたんじゃが、アレルギー、高脂血症の特集を別々に読んでいたら、どうもこれらの病気は共通の原因、つまり“食事の間違い”で起こるらしい事が分かったんじゃ」

「その原因って何なのですか?」

「その原因を追究しながら毎日診察している患者さん達に食事のことを訊ねて回ったら、三つの法則に気付いたんじゃ」

「三つの法則って何ですか?」

「まあまあ落ち着いて。そう結論を急ぐもんじゃないよ。これはとても気の長ーい、時間の掛かる話なんじゃ。先生は居眠りなんかせんと聞いていられるかな?」

「面白そうですね、食生活の謎というところですかね」

「ところで、我々の主食は何ですかって聞かれたら本田先生はなんて答えますかな?」

「冗談じゃありませんよ。我々の主食はご飯に決まっているじゃないですか。皆それくらい知っていますよ」

「それそれ、それじゃよ。一口に言って昔に比べてご飯の量が減ってしまったことが原因なんじゃよ」

「あー、そういえば最近はご飯の量が全体に減っているかもしれませんね。そんな簡単なことなのですか?」

いや、かなり減っているんじゃよ。皆知らないうちにその事を忘れちゃったんじゃな。それが主食の勘違いの原因なんじゃ」

「それではなぜご飯が減ると病気になるのですか?」

「ますますそこじゃ。じゃあ発想を変えて、なぜ主食が必要かって今まで考えて事がありますかな?」

「そんな事……、あまり考えないで食べていましたけれど。あー、もとい、小生は医者ですから栄養学で習ったままの事で宜しければお答えします。何かまるで国家試験の時の口答試問みたいだなあ。はい、食事には三大栄養素をまず摂らなければなりません。最近WHO(世界保健機関)によると脂質は摂り過ぎなので食事全体のカロリー比で25%以下に抑えなければなりません。蛋白質は平均して20%、だから炭水化物は残りの55%以上になる訳です」

「最近発表された事までよく勉強しているじゃないですか。だから炭水化物が日常の食生活に欠かせない物なんじゃよ。でも最近はこれが少なくなっているんじゃな」

「はあ。巷では炭水化物を摂り過ぎると太るなんて噂が流れていますよ」

「そこに嘘がまかり通ってしまっている事が問題なんじゃ。嘘をつくのはいけないんじゃが、嘘をついて皆を健康食品という高額商品に誘導するのが絶対許せないんじゃ。健康になるのに金が必要なのかい? そんな訳はあるまいに。わしには昔栄養学の教科書を見直した時期があったんじゃ。分厚い教科書を読むとよく分からなくなってしまったんでわざと薄い教科書にしてみたんじゃ。そしたらその嘘が分かったんじゃ。炭水化物には例えてみると四兄弟があるんじゃ。三兄弟は分かりやすくいうと砂糖(蔗糖)、果糖(果物)それに乳糖(乳製品に含まれる)で、もう一つがご飯や穀類に含まれる澱粉質じゃよ」

「どうして三兄弟ともう一つをわざわざ分けたのですか?」

「とても重大な理由はあるんじゃよ。最初の三兄弟は食べても実は人間の生理的な消化活動をあまり利用してくれないで、そのまま小腸まで辿りついて吸収され血糖が上がってからカロリーに変換される訳じゃ。すぐカロリーが上がるのは良い事じゃが血糖が上がるのが欠点じゃね。そして食べ過ぎると中性脂肪が増えて更に体脂肪として沈着するんじゃ。それに比べて、もう一つの澱粉質は口に入ると唾液や胃液やら生理的な消化活動を上手に利用してくれて、あまり脂肪分が増えるということもなく急激に血糖値が上がることもなくカロリーに変わるんじゃ。ただし、あの三兄弟ほど早くにカロリーは上がらないけれど、その代わりカロリーが持続するんじゃ。つまり、難しい説明を端折ってまとめてみると炭水化物には体脂肪になりやすく太りやすいものと、腹持ちしてスタミナになるものの二つがあるというわけじゃ。陸上選手に喩えると三兄弟は短距離選手、すぐスタミナが切れるんじゃ。それに引き換え澱粉質は中・長距離選手でスタミナがあるんじゃ。だから主食としてご飯や芋類が必要なのじゃないかな」

「なるほど、その二つがごちゃごちゃになって炭水化物全体が太るという誤解を生んだのですね。そこのところは小生もよく分かりませんでした」

「もう一つあるんじゃ。この三つの栄養素の比がどうして生まれたのか不思議なんじゃよね。学問的なことはわしゃよく分からん。でもある時考え付いたんじゃが、もしかして食べ物の中の脂肪成分をこの澱粉質が中和するって考えてみると、これから説明する事がとても分かりやすくなるようなんじゃよ」

「中和ですか。薄めるっていうことですね」

「例えば今日のおかずはトンカツだとするね。昔の私の家ではトンカツはご馳走だったんじゃよ。あと味噌汁があれば丼ご飯二杯は食べられたね」

「いやあ。わが家でもそうでしたよ」

「ちょっと考えてみなされ。トンカツの油分をご飯が中和しているって。もし現代の家族ならば、トンカツを前に、“今日はトンカツかい? 俺今日は暑いから生ビール飲むし、ご飯は太るから少しでいいよ”なんてやっちゃうといくら刻みキャベツを添えても中和出来ないじゃないじゃろうが。その中和できない油分が体に溢れると血液中のコレステロールや中性脂肪が増えるし、血管壁にへばり付けば動脈硬化が進み脳梗塞が増えるという理屈なんじゃ」

「あー、だからお酒とおかずばかりでご飯を食べない人やアルコール中毒患者は血管系の病気で倒れる人が多いのですね。酒好きで有名な政治家のあの人や映画俳優のあの人みたいにね。それでは昔好景気の時代に接待料理を多く食べていた人たちはどうなったんですかね? 確か“接待”では最後の方に申し訳なさそうに少量のご飯が出るようですけれども」

「まさに“地獄への接待”じゃったんじゃよ、接待される方もする方も。あの時期に身体を壊した人はとても多かったんじゃ。亡くなった方も多いと思うよ。あの渡辺社長にも何度も警告したんじゃがなかなか理解してもらえないんじゃ」

「おー、怖ろしい話ですね!」

「まだこの話の続きがあるんじゃよ。その中和出来ない油分が身体から溢れたのがアレルギー症状と考えるととても分かりやすいんじゃよね。アレルギー症状というのは何か身体から滲み出る感じじゃよね。皮膚に発疹が出て痒くなったり、鼻水が溢れたり、湿った咳が止まらなくなったりするじゃろ。私の調査ではご飯大好き人間には花粉症等のアレルギー症状はほとんど見られなくて、そしてご飯が少なくておかずの多い人にアレルギー症状が多く見られる、最初にそういう二つの法則を見つけたんじゃ。その後もう一つ、合計三つの法則を見つけたんじゃ」
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三つの法則とは

(1)ご飯大好き人間に花粉症患者がほとんどいない
(2)小麦食・卵が多く、ご飯が少ない方に花粉症等の慢性生活習慣病患者が多い
(3)小麦食・卵が多く、ジャガイモ食が少ない方に慢性生活習慣病患者が多い



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