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強い日本はどこに行ってしまったのか。

勝谷誠彦の××な日々 2018年2月24日号付録
高橋"ヨロン"茂(世論社代表)<週報『迂闊屋』20180224号>より抜粋転載

平昌オリンピックももうそろそろ終わりますね。私は、ちょうど男子フィギアフリーと女子500mをリアルタイムで見て、カーリング女子で日本チームがスウェーデンチームに勝ったときもリアルタイムで見ていたので、もう涙ボロボロでした。女子パシュートもリアルタイムに見て、やはり涙がちょちょ切れていました。一度見たのに、再度映像が流れるたびにボロボロ。他の競技も感動しまくりでした。

今の選手って、プレッシャーを感じるのは昔と変わらないけれど、それでもオリンピックの舞台で、自己ベストを出せるというのは、メンタルトレーニングも含めてそれだけの練習を積み重ねてきているんですね。「楽しみたい」ということばの裏には、プレッシャーから逃げるのではなく、勝ちに行った上で世界最高の祭典を経験したい、という闘争心も感じられました。

そんなオリンピックの楽しみ方をしながら、ちょっと気になったのは「日本すごい」とか「日本人すごい」といった投稿が見られて、それに異を唱えた人が炎上していたことです。小平奈緒選手を松本の相澤病院がサポートしたとか、カーリング女子のチームを作ったのは、マリリンこと本橋麻里さんの力が大きいとか、遠征費をサポーターがカンパして集めたとかいう話を聞いていると、選手自身の努力や、それを支えるまわりの方々の意識や行動こそ賞賛され、それが日本人だからとか、国がどうということはちょっと違うのではないかと私は思います。「日本人だからすごい」のではなく、「すごい人が日本人だった」ということです。

チームの中には外国人もいますし、海外留学で育てられた選手も多い。変な『愛国パフォーマンス』が、せっかくの日本人選手の努力や活躍に水をかけてしまっているようにしか見えないのです。私は人並みに愛国心があると思っていますが、それでも度を過ぎた「日本すごい」コールには冷めてしまいます。

その最たるものが『下町ボブスレー』だったでしょう。池井戸潤さんの小説に出てきそうなストーリーを作り、大手企業や広告代理店、国まで乗っかって、安倍さんなんか国会での演説に使ったり、ボブスレーに乗っている写真まで広めたのに、最終的には社員6人で販売価格300万円のラトビアのソリ会社のボブスレーに負けました。『下町ボブスレー』は7000万円。

こんなことを書いていると、「お前は左巻きか」と言われそうですが、単に事実をなぞっているだけです。たとえば、中国に関して。『下町ボブスレー』の運営団体の公式ツイッターも中国や韓国をバカにしたようなツイートをしていましたが、すでに技術力では最先端分野で日本が負けていることがわかっていないのか、見ないようにしているのか。なんともマヌケな話です。

スマートフォンの2017年第四半期の生産台数は、Samsung Electronics、Apple、Huawei、OPPO、Vivo、Xiaomiの順番でした。1位は韓国。2位はアメリカ。3位〜6位は全部中国です。アクションカメラの世界ブランドはGoProでアメリカ企業。ドローンの世界1位は中国。家電でもダイソン、iRobot・・・日本企業はどこにも出てきません。粗悪なコピー品ももちろん出回っていますが、世界ランキングに登場するような企業の製品の品質は非常に良いです。ここでも検査や決算を誤魔化すような日本企業は、周回遅れとなっています。

AIに関しては、中国は日本に大きく差をつけて、アメリカも越えようと国家プロジェクトとして推進しています。たとえば、こんな記事。

「中国警察がサイバーグラスを導入、顔認識で指名手配犯を逮捕」
(MIT TECHNOLOGY REVIEW)
https://www.technologyreview.jp/nl/chinese-cops-are-wearing-glasses-that-can-recognize-faces/

<ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、 LLビジョン(LLVision)製のハードウェアは、眼鏡に取り付けたカメラで撮影した画像データを携帯デバイスに送信。AIソフトウェアが容疑者の写真1万枚を格納したオフライン・データベースを約100ミリ秒で検索し、犯罪者を見つけ出す手助けをするという。ただし、精度については不明だ。

このスマートグラスは、大勢の人々が移動する中国の旧正月の時期に、混雑した人混みを監視するために使われる。人民日報によれば、鄭州市の鉄道駅ではすでに試用されており、指名手配犯7人と、偽の身分証明書を所持していた旅行者26人を捕らえたという。>

まさにドラマ『パーソン・オブ・インタレスト』が現実のものとなっているわけです。

迂闊屋挨拶のところにも出てきたように、AIがテキストを音読する時代になっています。現在、Google Home、Amazon Echoなどの「AIスピーカー」がどんどん家庭に入ってきています。これらはすべて海外製。LINEのClovaは日本製と言ってもいいと思いますが、いまだにLINEというだけで「韓国企業だろ」という人がいるのも情けない話です。森川亮氏が、まだLINEの社長だった頃、一緒に飲む機会があったのですが、その話をしたら、丁寧にLINEの仕組みを解説してくれました。

中国は、国としては二流でも、技術はすでに日本を抜いています。さらにこんな記事「日本人エンジニアの給料が上がらない理由」(PRESIDENT online)<中国ハイテク企業のエンジニアで年俸1000万円以下はいない2017年の採用市場では、中国の通信機器大手ファーウェイ(華為技術)が日本で大卒エンジニアを「初任給40万円」で募集して話題を集めた。厚生労働省の調査によれば日本の大卒初任給の平均は約20万円(17年)。日本企業の場合、エンジニアであろうと事務職であろうと初任給は基本的には変わらない。日本企業の平均初任給の約2倍で募集をかけた「ファーウェイショック」に「優秀な人材が流れてしまうのではないか」と戦々恐々の日本企業に対して、ファーウェイ・ジャパンの広報は「優秀な人材を採るためのグローバルスタンダード」だとすまし顔だ。>

ファーウェイの初任給は約83万円。つまり、日本で募集をかけたのは日本の初任給の倍だったけど、それですらファーウェイの初任給の半分だったということです。

今後、日本の本当に優秀なエンジニアが日本の企業に就職する理由は無くなっていきます。すでに GoogleやAppleなどはさまざまな国籍のエンジニアが働いています。生活レベルが低いと思われているインドや中国などのエンジニアが、世界一流企業で年収数千万円の報酬を受けて、最先端の製品を世に出している。

「日本すごい」というのは何なのか。強い日本はどこに行ってしまったのか。今、「日本製」を自慢しているのは、ハズキルーペぐらいですかね(冗談)。ソニーや松下電器などの誕生と飛躍は世界を驚かせました。今でも、Cerevoのようなベンチャーや、天才猪子寿之率いるチームラボのような世界に誇る人材や組織はあります。T-1君率いるTASKOもそうかもしれません。いや、冗談じゃなく。ここに国は関わっていません。多少は後押ししていることもあるでしょうけど、岩佐氏や猪子氏、メルカリの山田進太郎氏のような国の宝と言える人材を大事にサポートしてこそ、「日本すごい」につながるのではないでしょうか。

そんなことをオリンピックを見ながら妄想していました。
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いつの間にか、先頭集団を走っていたはずの日本が、置いてけぼりになっているのはなぜなのでしょうか。読売新聞が、里見さんの寄稿をボツにしたことも相通じると思います。



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