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日本人の「いっしょ食い」

9月22日の読売新聞のトップに「糖尿病 初の1000万人 厚労省推計 高齢化が影響」とありました。

糖尿病は、死因の上位を占めるがんや心筋梗塞、脳梗塞のほか、認知症のリスクも高める。まずは「怖さ」を自覚することが必要だ。血糖値を下げるには、薬による治療の前にやるべきことがある。バランスの取れた食事、適度な運動を生活に取り入れることだ。それを促す環境整備に官民挙げて取り組む必要がある。

9月22日の日経Gooday「データで見る栄養学」、
「早食い」は太る! 忙しい人でも無理なく実践できる「太りにくい食べ方」とは?
第3回 食べる速度と肥満度の深〜い関係」
村山真由美=フリーエディタ―・ライターの記事は、以下で始まります。

忙しくてゆっくり食事がとれない……。そんな人も多いだろう。かつてはできるビジネスパーソンの鉄則だった「早飯」。しかし、早食いすると食後の血糖値が急上昇し、肥満や糖尿病になりやすくなるため、お勧めできない。では、早食いのクセがついた人や、忙しい人でも無理なく実践できる「太りにくい食べ方」とは? 例えば最近人気の「ベジ・ファースト(野菜先食べ)」や、和食の特徴の一つである「三角食べ」はどうだろう。どちらが血糖値の上昇が緩やかで、太りにくいのだろうか。
東京大学大学院医学系研究科社会予防疫学分野教授の佐々木敏さんに、栄養疫学の視点からひもといてもらった。

編集部:肥満や糖尿病を防ぐには、とにかく、よくかんでゆっくり食べることが重要なのですね。
野菜先食べや三角食べはそのための一つの手段になると。

佐々木:はい。野菜先食べも三角食べもどちらも血糖コントロールに役立ちます。あえて分類するなら、食事に時間をかけたくない(または、かけられない)人には野菜先食べを、食事に味わいと楽しさを求める人には三角食べと口内調味を勧めたいと思います。
<http://gooday.nikkei.co.jp/atcl/column/17/062800007/091400008/?ST=food&P=1>

そこで、ウィキぺディアで「三角食べ」を検索して、
「ご飯とおかずや漬け物などを一緒に食べるのを口内調味といい、これができるから日本人は和食が楽しめるという主張する者もいる」といって、玉村豊男著「食卓は学校である」から「日本人のいっしょ食い」を引用していましたので、転載しました。ご一読ください。
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私が、今気になっているのは、「いっしょ食い」の問題です。

あるとき、なにげなくテレビをつけたら、あるソムリエの男性が、ワインが注がれたグラスを手にして話をしていました。どうやら、実際にティスティングをしながら、ワインと食べものとの相性について説明しているようです。

ソムリエ氏は、何種類かのワインを料理とともに目の前に並べて、それぞれのワインがどの料理に合うか合わないかを論評しています。が、そのとき驚いたのは、彼が料理を口に入れたままワインを口に含んでいることでした。

料理を一口、口の入れ、もぐもぐ食べながら、ワインを少し口に含む。そして、しばらくしてから、コメントをいうのです。私は、なんだか見てはいけないものを見たような、不思議な感慨に捉われました。

フランスでは、ワインは料理やパンを食べ終わったあとか、食べはじめる前に飲むもので、口の中に食べものが入っている最中にワインを口中に注ぐことはありません。

肉料理を食べているとき、ワインが飲みたくなったら、まず口の中にある肉片を咀嚼してから呑み込み、それからパンの一切れでも食べて口の中をさっぱりさせてから、ワイングラスに手を伸ばすのです。肉片のあとにかならずパン切れを食べなければならないというわけではありませんが、とにかく、咀嚼中の口の中にワインを流し込むということはあり得ません。ワインと料理の相性、というのは、口中でワインが直接その食物に接触したときに生じる感覚をいうのではなく、その食物を咀嚼し、嚥下したあとに残る舌の上の感覚に、そのワインがどうフィットするか、ということなのです。

チーズを食べながらワインを飲むと、食べたチーズよりおいしく感じるし、飲んだワインもよりおいしく感じられることは、多くの人が経験することだと思います。このときは、チーズを食べ終わったらワインを飲み、ワインを飲み終わったらまたチーズを食べるので、どちらが先でどちらがあとということはありませんが、口の中でチーズとワインが接触している「チーズのワイン漬け」の状態がおいしいわけではないことは、いうまでもないでしょう。

フランスでは、食べものを口の中に入れたままワインを飲むのは無作法なこととされています。レストランで注文したワインをティスティングするときに、少量のワインが注がれたグラスをぐるぐる激しくまわしたり、ちょっと口に含んでからぶくぶくと音を立てて空気と混ぜながら吸ったりするのは、プロのソムリエが試飲の場でやるのならともかく、一般の客がやるべきことではありませんが、まして、相性をたしかめるからといって、口の中に食べものを入れたままワインを含んでぶくぶくやりでもしたら、周囲の人の顰蹙を買うことは間違いありません。

もちろん、スープは音を立てないで食べるのがマナー、ソバは音を立てて食べるのが作法、というような、文化の違いというものがありますから、フランスでそれをやったらマズイが、日本なら許される……ということはあるかもしれません。何しろ「いっしょ食い」は、日本人が世界に誇る特技なのですから。

日本人は、たとえば佃煮や梅干などをおかずにごはんを食べるとき、まず、白いご飯を口の中に放り込み、それをまだ呑み込まないうちに、佃煮や梅干を少しだけ口に入れます。そして、それらをいっしょに口の中で混ぜながら咀嚼します。そうすれば、単独で食べるには塩辛すぎる佃煮や梅干は白いごはんと合わさることでちょうどよい塩分に中和されますし、単独で食べるにはやや塩味の足りない白いごはんは、佃煮や梅干の塩分でちょうどよい「塩梅」に調整されるのです。

この食べ方を、「口内調味」などと呼ぶ人もいるようですが、私は「いっしょ食い」と呼んでいます。

口の中に入れた食物の咀嚼を途中で止めたまま、口を半開きにしておいてそのまま次の食物や液体を放り込むのは、けっこう微妙な運動神経を必要とする作業です。フランスでは食べものを口の中に入れたままワインを飲むことは無作法とされているといいましたが、無作法であろうとなかろうと、そもそも彼らには、そんな高等な技術を要する芸当はやれといわれてもできないのです。

「いっしょ食い」ができないのは、フランス人だけではありません。欧米人は、ほぼ例外なく、できないと断言してよいでしょう。

だから、アメリカ人は、白いごはんを食べるとき、かならず醤油をかけます。ピラフやチャーハンならよいが、味がついていない白いごはんをそのまま食べることができないからです。醤油のかわりに佃煮があれば、それをごはんに載せてから食べるでしょう。両者を別々に口の中に放り込むことはあり得ません。やってみろ、と強制しても、どうやったらいいのかわからずに、ただおろおろするばかりです。

フランス人はスシが大好きですが、どうやって食べるか知っていますか。

彼らはまず小皿に醤油をたっぷり入れ、そこにワサビを大量に溶かし込みます。その、緑黒い(としか表現のしようがない)不思議な流動体の上に、スシを置き、今度はスシのネタの上に、ガリをまた大量に載せるのです。スシ、ガリ、ワサビ。いまではどれもフランス語として、誰もがよく知っている言葉です。下方から緑黒い流動体がじわじわと白い米粒を浸潤しはじめ、上方からは甘酸っぱいガリの酢がたらたら垂れてきて、それはわずかのあいだに日本人にはとてもスシとは思えないような物体に変容していきますが、フランス人はその不可思議な物体を不器用な箸使いでさらに崩壊させながら食べ、

「スシはスパイシーだから好き」

というのです。まったく、なにやってんだか。



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