トップページ知って得する講座味噌汁――大豆のパワーと塩分の作用、どちらが強い?

味噌汁――
大豆のパワーと塩分の作用、どちらが強い?

8月30日HONZのメルマガ「今週はこれを読め!」の見出し、

本書『食事のせいで、死なないために』全2巻は、史上最大規模の疫学研究「チャイナ・スタディ」をはじめとする数々の大規模研究や、特定の疾病と栄養素/食品の関連性を突きとめた膨大な研究データをふまえ、未加工の菜食は健康を促進し、さまざまな病気に対… more

に惹かれて、早速 「食材別編」を取り寄せました。
以下は、「訳者あとがき」から
<http://honz.jp/articles/-/44314>

現代病を予防するには、私たちが食生活と病気の関連性について正しい知識を得て、毎日どのような食事をすべきかを学び直す必要があるということだ――なにしろ、命に関わる問題なのだから。

だが、どうすれば正しい知識を得られるだろう? それには、あらゆる業界や政府の利権と無関係な立場にある医師・研究者が、栄養と疾病の関連性に関する膨大な研究論文に目を通し、科学的根拠にもとづいた知見を、非営利目的で人びとに提供する必要がある。まさにそれを実践しているのが、本書の著者であり、栄養に関する非営利科学情報サイト「ニュートリションファクツ」の主宰者である、マイケル・グレガー医学博士だ。
<https://nutritionfacts.org/>

グレガー博士は「毎日の12項目」として、豆類、ベリー類、その他の果物、アブラナ科の野菜、緑色野菜、その他の野菜、フラックスシード、ナッツと種子類、ハーブとスパイス、全粒穀物、飲料、運動を挙げている。

そのチェックリスト「豆類」の Column のひとつ
味噌汁――大豆のパワーと塩分の作用、どちらが強い?を転載しました。
食事のせいで、死なないために 食材別編 2017年8月25日第1刷発行
マイケル・クレガー&ジーン・ストーン著 NHK出版

味噌の製造には塩が使われる――それも大量の塩だ。味噌汁一杯には、米国の心臓協会の推奨する1日当たりの塩分摂取量の半分もの塩分が含まれている。だから私はメニューに味噌汁が載っていると、反射的にそれを避けていた。しかし、味噌汁についてよく調べてみると、まったく思いがけないことがわかったのだ。

塩分を控えるべき理由はおもにふたつある。胃がんと高血圧を防ぐためだ。塩分の過剰摂取は、胃がんの「推定原因」と考えられ、アメリカでは毎年、胃がんが数千件も発症している。塩分の過剰摂取による胃がんのリスクは、喫煙や過剰飲酒によるリスクと同じ程度だが、アヘンの使用や毎日肉を食べることにくらべれば、リスクは半分程度であると考えられる。約50万人を対象としたある研究では、肉(トランプ1組程度の大きさ)を毎日食べると、胃がんのリスクが5倍も高くなることが明らかになった。

それにくらべて菜食中心の人びとは、胃がんのリスクが有意に低いのも、それで説明がつく。しかし、胃がんのリスク上昇につながるのは、加工肉食品や塩漬けの魚など、塩分を多く含む動物性食品だけでない――その点では、塩漬けの植物性食品も同じなのだ。キムチは塩分と香辛料の利いた漬物で、韓国料理には欠かせない副菜であることを考えれば、韓国の胃がんの罹患率が世界でもっとも高いのも、納得がいくだろう。

ところが、味噌は胃がんのリスク上昇にはつながらないことがわかった。塩の発がん作用が、大豆の抗発がん作用によって中和されるようなのだ。塩分摂取は胃がんのリスクを上昇させるが、(味噌と同じく大豆製品である)豆腐の摂取は胃がんのリスクを低減させることがわかっている。このように大豆と塩のあいだには相殺効果が生じると考えれば、説明がつく。さらに、味噌汁には胃がんの予防効果のあるアリウム属(ネギ属)の野菜(長ねぎや玉ねぎ)が加えられることが多いため、抗がん作用が高くなるものと考えられる。

しかし、人びとが塩分を控えるように指導される最大の理由は、がんを防ぐためではない。味噌汁と高血圧の関係はどうなっているのだろうか? どうやら同じような関係にあるようだ。味噌に含まれる塩分は血圧を上げるいっぽうで、大豆たんぱく質には血圧を下げる効果がある。たとえば、豆乳とスキムミルク(より公正な比較を行うには、乳脂肪に含まれる飽和脂肪が除去されていたほうがよいため)の効果を比較すると、大豆はスキムミルクにくらべて血圧を下げる効果が9倍も高いことがわかる。それにしても大豆には、味噌に含まれる塩分の作用を打ち消すほどの高い効果があるのだろうか。日本の研究者たちが、それを確かめることにした。

その研究では、実験開始時に正常血圧を示した60代の男女を無作為にふたつのグループに分け、4年以上にわたって追跡調査を行った。いっぽうのグループは1日2杯以上の味噌汁を飲み、もういっぽうのグループは1日1杯以下の味噌汁を飲むことで、どちらが高血圧と診断される確率が高いかを調べたのだ。1日2杯の味噌汁を飲むのは、毎日の食事に小さじ2分の1杯の塩を加えるのと同じ計算になる。しかし、1日2杯の味噌汁を飲んだ人たちは、高血圧になるリスクが5倍も低くなったことが明らかになった。研究の結論では次のように述べている。「われわれの味噌汁の研究結果によって、味噌による降圧作用は、塩による血圧上昇効果を上回る可能性が高いことが明らかになった」
Willcox BJ, Willcox DC, Todoriki H, et al. Caloric restriction, the traditional Okinawan diet, and healthy aging: the diet of the world’s longest-lived people and its potential impact on morbidity and life span. Ann NY Acad Sci. 2007;1114:434?55.

というわけで、味噌汁にはやはり高血圧の予防効果があると言えるだろう。
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以下は、巻末から抜粋転載です。

「How Not to Die」(死なない方法)は、本の題名としては少し奇妙に聞こえるかもしれない。もちろん、誰でもいつかは死ぬ。けれども「早死にしないために」、という意味なのだ。ひとつ、心に留めておいてほしい重要なメッセージがあるとすれば、あなたには自分の将来の健康を左右する大きな力があるということだ。食事と生活習慣にシンプルな変化を起こすだけで、早死にの大半は防ぐことができる。

言い換えれば、健康で長生きできるかどうかは、ほとんど選択の問題なのだ。2015年、米国心臓病学会の会長に就任したキム・ウィリアムズ博士は、完全な菜食中心の食生活を実践している理由を問われ、こう答えた。

「死ぬのは仕方ありません。ただ、自分のせいで寿命を縮めたくないのです」

本書の主題はまさにそこにある――大切なのは、あなた自身や家族の健康に責任を持つことなのだ。



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