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「コレステロールは身体に悪い」説はもう古い!

DIAMOND online11月11日のニュース3面鏡から、ジャーナリスト夏目幸明の「コレステロールは身体に悪い」説はもう古い!を転載しました。ご一読ください。

論文を読むのが日課という「めんどくさいお医者さん」、東京大学病院の地域医療連携部にいる循環器専門医・稲島司氏。彼がまた、世に流布する「健康イメージ」の虚実について語り始めた。

稲島 前回に引き続き、夏目さんにあぶらについて認識を確認したいことがあるんです。

夏目 怖いな。今度は何ですか?

稲島 コレステロールって、どんなイメージがありますか?

夏目 何となく「身体に悪そう」ですが?

稲島 ある意味当たってますが、ある意味では間違いです。

夏目 というと?

稲島 最近、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」の報告書に、こんな記述がありました。

夏目 どれどれ……「コレステロールの摂取量は低めに抑えることが好ましいものと考えられるものの、目標量を算定するのに十分な科学的根拠が得られなかったため、目標量の算定は控えた」。ん?コレステロールは体に悪くないってことですか?

稲島 そういう伝え方をした媒体もありました。でも「摂取量は低めに抑えることが好ましい」と書いてありますよね。今回はそのあたり、解説を加えましょう。

稲島 コレステロールは、細胞膜を構成し、男性ホルモン・女性ホルモンの原料にもなります。これが「体に悪い」イメージになったのは、1950年代―半世紀以上前の研究がベースにあります。当時、第2次世界大戦が終結して先進国の多くが飽食の時代に突入しました。すると心筋梗塞や脳卒中が激増したんです。「これはなぜだ?」と世界中の学者が調査を始めて、何年もかかって「血液中の総コレステロールの濃度が高いと脳卒中や心筋梗塞を起こしやすくなる」とわかりました。

夏目 ふむふむ。

稲島 その後の研究で、血液中の総コレステロールの濃度が高いと血管の壁にコレステロールが溜まってしまうことがわかってきました。下の図を見て下さい。血管の壁にコレステロールが溜まると、血流が妨げられます。すると酸素が運ばれなくなります。もし心臓に酸素を送る血管でこれが起こると、心臓の筋肉が酸素不足になり、胸が痛くなって狭心症となります。さらにひどくなって血管が完全に詰まると、酸素が全く足りず心臓の筋肉が壊死してしまい心筋梗塞となり、死亡原因になります。脳の血管が詰まれば脳梗塞が起きます。

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血管を詰まらせる「リポタンパク」とそれを防ぐ「リポタンパク」があった!

夏目 なるほど。

稲島 余談ですが、血液の需要と供給がマッチせず苦痛を感じることって、誰でも経験しているんですよ。食事の直後に本気で走ると脇腹が痛くなりますよね。消化のため胃や腸に血流が必要なのに、走ることによって肺や足の筋肉などに血液をとられてしまい、需要が追いつかなくなったためと言われています。

夏目 へぇ〜。

稲島 さて「コレステロールは血管に悪い」となったのですが、その後の研究の結果で、そうでもないことがわかってきたんです。ここからちょっと難しいかもしれないです。

夏目 ゴクリ。

稲島 まず、コレステロールは食物を原料に肝臓で合成されます。そして血液により肝臓から全身に運ばれる時は「リポタンパク」という物質にの一部になります。コレステロールはあぶらで、血液は基本的に水分なので、コレステロールと血液は混ざりません。そこでコレステロールは水に混ざる成分とくっつき、「リポタンパク」という大きい分子になって血液になじむのです。

夏目 例えるとしたらこんな感じでしょうか。コレステロールは幼稚園児。園児は1人で遠出できません。リポタンパクは幼稚園の先生に手を引かれた幼稚園児の集団で、集団になると遠足に行けるようなる……。

稲島 合っていますよ。そしてリポタンパクにもいろんな種類があり、密度によって人体に与える影響がまったく違うとわかってきました。あぶらが多いとリポタンパクの密度は低くなります。あぶらが水に浮くのは、密度が低いからなんです。一方あぶらが少なくてタンパク質が多いと、密度は高くなります。豆腐が水に沈むのと同じです。

夏目 ふむふむ。

稲島 そして、あぶらを多く含んだ、密度が低いリポタンパクは、中のコレステロールを血管にボロボロと落としながら、全身に行き渡ります。

夏目 さっきの幼稚園児の例えでいくと、幼稚園児と先生の集団であるリポタンパクの密度が低い、つまりあぶらが多いと、先生の監視の目が行き届かなくなり、引率していく途中で、コレステロールという名の幼稚園児たちを置いてきぼりにしてしまう、と。

稲島 うまい!しかし一方で、タンパク質を多く含む、密度が高いリポタンパクは、血中のコレステロールを拾い集めてくれます。

夏目 引率の先生が多い集団は、血中で迷子になった幼稚園児=コレステロールも集めて引率していってくれるってことですね。


ナッツの価格高騰の裏にあった最新のコレステロール研究

稲島 その通り!密度が低く、血液中にコレステロールを置いてきてしまうリポタンパクを、英語の”Low-Density Lipoprotein” すなわち、密度(Density)が低い(Low)リポタンパク(Lipoprotein)の頭文字をとってLDLと表記されます。
一方、密度の高いリポタンパクは「High-Density Lipoprotein」=HDLと表記されます。

夏目 LDLとHDL、健康診断でもおなじみですし、テレビなんかでも言ってますね。

稲島 LDLに含まれるコレステロールをLDL-コレステロール、同様にHDLに含まれるコレステロールをHDL-コレステロールと呼び、前者は悪玉コレステロール、後者は善玉コレステロールなんて言われていますね。

夏目 じゃあ、悪玉…LDL-コレステロールを減らして善玉…HDL-コレステロールを増やせば、血管病は改善しませんか?

稲島 いいことを言いますね!HDL-コレステロール値が高いと冠動脈疾患が少ないことは日本人でも証明されてます(下図参照)。
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右に行くほどHDL-コレステロール値が高くなり、それにともなって棒グラフが低くなってますね。現代日本人は脳卒中と心臓病で25%の方が亡くなっていて、この中の多くは血管の詰まりによるものです。このパーセンテージは、がんで亡くなった方と近い数値です。血管病に対する意識が高まれば、我々はもっと、健康・長寿を謳歌できます!

夏目 では、善玉コレステロールを増やすと証明されているものはないんですか?

稲島 最近研究が盛んな食物の一つがナッツです。クルミやピーナッツなどの豆類を定期的に食べると、血圧と、LDL-コレステロール(=悪玉コレステロール)の値が下がり、HDL-コレステロール(=善玉コレステロール)の値が上がります。ナッツはあぶらを多く含むけど、不飽和脂肪酸(前回参照)や食物繊維が多いためだと考えられます。こういった論文が出てくるにつれ、ナッツの価格が高騰している、と聞いたこともあります。

夏目 じゃあ、ハニーローストピーナッツやアーモンドチョコは体にいい、と?

稲島 ただし、カロリーや塩分が高いのはよくありません。できれば調理していない、砕いたナッツをサラダに入れるなどするのが良いでしょうね。
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卵をたくさん食べても健康リスクは増大しない

夏目 逆に、卵は食べ過ぎてはいけない、とも言われますが?

稲島 いえ、次のデータを見て下さい。

<http://www.chiffonya.com/shop/kouza/titokudata_12.htm>

夏目 そろそろ分ってきましたよ。卵を多く食べても……つまりグラフの右に行っても、リスクつまり縦軸に統計学的な有意差はない。

稲島 そうです。鶏卵はコレステロールを多く含みますが、これは肝臓に「コレステロールの原料」として供給されるだけで、先ほど述べたように全てが血液中のコレステロールになるわけではないのです。だから、実はあまり神経質になる必要はなかったんですよ。LDL-コレステロールとHDL-コレステロールの値を気にするなら、むしろ、もっと効果的な習慣がありますよ。

夏目 ゴクリ。

稲島 適切な運動と、食物繊維の摂取です。

夏目 相変わらず、平凡な結論だ。

稲島 ええ。そうなんです。しかし健康寿命を縮める脳卒中や心筋梗塞などの「血管病」リスクを減らせるとしたら、野菜やナッツを増やすくらいは取り入れて頂いても良いと思います。もちろん脂質異常症や心臓疾患と診断されたり疑われた場合には、食事や運動だけでなく医師の相談が大前提です。また、いつも言うように食事は健康にこだわり過ぎず「美味しく、楽しく」が基本です。

夏目 わかりました。最後はコレでしょ?「エビデンス(科学的根拠)がある健康情報」を生活習慣に無理なく取り入れていくことが大事!

稲島 そう、夏目さんもやっとわかってきましたね!また焼肉いきましょう。



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