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「敵塩」か。「適塩」か。

健康のためにどのような食事をすべきか示す、厚生労働省の「食事摂取基準」が4月から新しくなりました。2015年版では、体重管理を重視した食事が勧められるほか、減塩がさらに求められています。

同基準は、健康増進や生活習慣病の予防のために、管理栄養士らが、給食の献立作り、健康診断の保健指導などで使い、5年に1度、見直されます。

高血圧予防のため、望ましいとされる食塩摂取量は改定のたびに減っていますが、1日あたりの食塩相当量(18歳以上)は、男性で9gから8g未満に、女性で7・5gから7g未満と、10年版から削減。日本人の食塩摂取量(20歳以上)は、13年調査で、男性11・1g、女性9・4gでした。

減塩について考えてみました。ご一読ください。

変わる食の基準<1>まだまだ足りない減塩
以下は、読売新聞で4月15日から始まった連載から転載しました。

◇遠い世界水準 「若者も対応を」

「健康と食」に対する関心が高まる中、食についての様々な国の基準が変わる。食塩の摂取目標量が下げられ、食品の健康への効果を表示できる新制度も始まった。新しい基準とその背景を考える。

マーボー豆腐とサラダ、煮物、スープ、ご飯で計2・2グラム、主菜をチキンのラタトゥイユに変えると計2・4グラム――。健康機器大手、タニタ(東京)が運営する「丸の内タニタ食堂」(東京都千代田区)は4月、献立の食塩量の削減を図った。マーボー豆腐のみそを減らしてトウバンジャンで補い、煮物はだしを濃くして調味料を減らした。チーフの加藤めぐ美さんは「一汁三菜で3グラム前後だった塩分量を、必ず3グラム以下にするようにした」と話す。

同店が減塩を強化したのは、厚生労働省の食事摂取基準が、4月に改定されたため。1日の食塩摂取の目標量(18歳以上)を、男性で9グラムから8グラム未満に、女性で7・5グラムから7グラム未満に減らした。

国は、高血圧予防などのため、1980年の栄養所要量で、初めて望ましい食塩の摂取量(当時は10グラム以下)を示し、目標量を段階的に減らしている。高血圧は、日本人の死因に多い脳卒中や心筋梗塞のリスクを高める。基準の策定に関わった東京大学教授(社会予防疫学)の佐々木敏さんは、「血圧は年齢と共に上がっていくが、摂取量を減らせば、その上昇を緩やかにできる。若い人も含めて、薄い塩で食事することが重要」。平均摂取量は減っているが、2013年で10・2グラムと、世界保健機関(WHO)が推奨する「5グラム未満」の2倍だ。

摂取量が多いのは、料理の味付けや食材と関係がある。塩やしょうゆ、みそなど、調味料から取る量は全体の約7割。漬物や乾物、ハムやソーセージなどの加工品からも取っている。今回の目標量は現状を考慮して取り組めるよう設定されたが、それでも世界の水準には追いついていない。佐々木さんは「日本人は、塩に“甘い”。食の課題は、一にも二にも『塩』だと考えてほしい」と話す。

東京都内の女性会社員(39)は最近、料理の塩分濃度が計測できる「塩分計」を使い始めた。「自宅でみそ汁やスープの塩分濃度を測って、0・6〜0・8%になるように抑えている」。1年ほど前から、塩味に頼らない食事を心がける。今は、外食で以前と同じようなものを食べた時に、しょっぱいと思うことが増えた。「だんだんと味覚が、薄味に慣れてきた」

ウェブサイト「クックパッドおいしい健康」で、減塩レシピなどを紹介する管理栄養士の唐沢弥子ひろこさんは、「調味料は計量して、使いすぎを防ぎましょう」と助言する。目分量では気づかないうちに、過剰に食塩を取ってしまう。

味は、酢やスパイス、食材のうまみなどで補える。肉などでたんぱく源を足せば味に深みが出る。料理の香りや香ばしさも、満足感を高める。

「食材の量などにもよるが、主菜なら1品1グラム前後が塩分量の目安。一度、塩分量が管理されたレシピで、計量しながら作ってみて。塩分控えめでもおいしいことが、舌で実感できるはずです」

▼1日5グラムが世界基準、日本人まだ塩分取り過ぎ
以下は、2014/10/19日本経済新聞 電子版より転載
日経トレンディネット2014年8月22日付の記事を基に再構成したものです。

食、医療など“健康”にまつわる情報は日々更新され、あふれています。米国ボストン在住の大西睦子氏が、ハーバード大学における食事や遺伝子と病気に関する基礎研究の経験、論文、米国の状況を交えながら、健康や医療に関するさまざまな疑問や話題を、グローバルな視点で解説していきます。今回は日本人にとっては身近な「塩分」について。控えめにとか摂りすぎは良くないなどと常々言われていますが、一体どれくらいの摂取量なら、塩分を控えたことになるのでしょうか?

■人間は塩分摂取量をゼロに近づけるべきなのか

「塩分は控えめに」「塩分の摂りすぎは、高血圧、心臓病や脳卒中の原因」という注意は、常識になってきましたよね。でも、具体的には1日どれくらい控えればいいのでしょうか?

世界保健機関(WHO)は、世界中の人の食塩摂取目標を1日5グラムとしていますが、米国では心血管疾患の予防のためのガイドラインは、塩分の最大摂取量が1日3.8〜6.0グラムとなっています。

とかく塩分摂取量が多いとされる日本の場合、厚生労働省が2014年3月に発表した「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」の報告書によれば、18歳以上の男性は1日当たり8.0グラム未満、18歳以上の女性は1日当たり7.0グラム未満という目標量が定められています。さらに、日本高血圧学会減塩委員会は、高血圧予防のために、1日6グラム未満という制限を勧めています。

ちなみに、2012年時点での日本の成人1日あたりの食塩平均摂取量は、男性で11.3グラム、女性で9.6グラムと発表されています。これらのガイドライン、どれが正しいと思いますか? また、ガイドラインには食塩の摂取量の下限は示されていませんが、私たちは、塩分摂取量をゼロに近づけるべきなのでしょうか?

実は、この疑問に対する答えは、科学者や専門家の間でも、意見が分かれているのです。

医学界の最高の雑誌と評価される「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(The New England Journal of Medicine:NEJM)」の2014年8月号に、塩分摂取量に関する論文が3本も同時に報告されました。この報告に対する熱い議論がすでに始まっています。

さっそく議論に参加して、結局、自分はどれだけ塩分を摂取すべきなのかを考えてみましょう。

なお、「食塩」が槍玉にあげられていますが、高血圧等の真犯人は、その主な構成要素である「ナトリウム」という物質です。食塩は、理科で習った「塩化ナトリウム(NaCl)」とほぼ同じもので、食塩量=ナトリウム量ではなく、食塩の約40%がナトリウム量に相当します。

つまりナトリウム量(ミリグラム)×2.54÷1000=食塩相当量(グラム)です。

■ナトリウムの排泄量が多く、カリウムの排出量が少ないと高血圧に

PURE(Prospective Urban and Rural Epidemiological Study)研究では、研究者らは18カ国から10万人以上の35歳から70歳までの成人を対象に調査を実施しました。

調査対象者たちの空腹時の早朝尿の単一検体を用いて、24時間のナトリウムとカリウムの排泄量を推定し、ナトリウムとカリウムの摂取量の指標としました。予想通り、血圧はナトリウム推定摂取量の増加に伴い上昇しました。また、血圧の上昇は高血圧や高齢者の人に顕著に表れました。カリウムの排泄量は、収縮期血圧(最高血圧)に、負の関係が認められました。つまりカリウム推定摂取量が多いと、最高血圧が低くなるということです(The New England Journal of Medicine「Association of Urinary Sodium and Potassium Excretion with Blood Pressure」より)。

■ナトリウムのベスト摂取量は?

NEJM論文2つ目では、17カ国、10万人以上の対象者から、空腹時の早朝尿の検体を用いて、ナトリウムとカリウムの排泄量を測定し、ナトリウムとカリウム摂取量を推定しました。平均3.7年間の追跡調査を行い、死亡や心血管イベント(心筋梗塞、狭心症など)を調査しています。

調査の結果、ナトリウム排泄量が1日7グラム(食塩17.8グラム)以上の人は、死亡または主要な心血管イベントのリスクが15%増加したことが分かりました。またこれらのリスクが最も高いのは、高血圧の人でした。

注目すべきは、ナトリウム排泄量が1日3グラム(食塩7.6グラム)未満の人でも、死亡または主要な心血管イベントのリスクが27%増加したことです。つまり、ナトリウム摂取量が1日3〜6グラム(食塩7.6〜15.2グラム)の人は、 摂取量がそれより多い人もしくはそれ未満の人よりも、死亡や心血管イベントのリスクがより低いことが示されたのです。

また、カリウム排泄量が多い人は、死亡や、心筋梗塞や脳卒中などの心血管イベントのリスクがより低くなりました(The New England Journal of Medicine「Urinary Sodium and Potassium Excretion, Mortality, and Cardiovascular Events」より)。

■食塩5.0グラム以上摂取で心血管死亡に影響

NEJM論文3つ目のNUTRICODE(Global Burden of Diseases Nutrition and Chronic Diseases Expert)研究は、これまでに報告されているデータを組み合わせて解析したものです。

解析の結果、2010年の世界中の人類のナトリウム摂取量は、1日平均3.95グラム(食塩10.0グラム)でした。

その後、研究者らはナトリウムの血圧に対する影響を計算。結果、2010年に発生した、世界165万人の心血管死亡は、1日2グラム(食塩5.0グラム)以上のナトリウム摂取に起因することが判明しました(The New England Journal of Medicine「Global Sodium Consumption and Death from Cardiovascular Causes」より)。

■減塩のリスクと利益にはまだ研究が必要

つまり、PURE研究の結果では食塩7.6〜15.2グラム、NUTRICODE研究の結果では食塩5.0グラム以下の摂取が推奨されているということになりますね。

PURE研究の結果は、米国で推奨される食塩摂取量を上回っており、減塩を推進する米心臓協会は、PURE研究の結果に対して、「このタイプの研究は、データの収集や解析法に結果が大きく依存するので、結果の解釈が難しい」と反対の姿勢を示しています。

さらに、NEJMの編集者は、減塩のリスクと利益について、最終的な結論には、さらなる研究の必要性があるとしています(The New England Journal of Medicine「Low Sodium Intake - Cardiovascular Health Benefit or Risk?」より)。

一方、PURE研究の研究者らは、マックマスター大学のホームページで、「塩分の摂り過ぎも、控え過ぎもどちらも問題。また、ナトリウムばかり気にして、カリウムの摂取の重要性が無視されている」とコメントしています。
(McMasterUniversity「Salt consumption has a sweet spot: Too little and too much are both harmful, researchers find」より)。

■加工食品やファーストフードなど外食に頼りすぎるのはNG

さて、私たちはこの研究の成果から何を学べるでしょうか?

まず、どちらの研究も、高血圧の人と高齢者に減塩を推奨しています。2006年の厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、40〜74歳の日本人のうち、男性の約6割、女性の約4割が高血圧といわれています。また、高齢化社会である日本では4人に1人は高齢者です。ですので、公衆衛生の向上のために、塩分を1日6グラム未満に控えるべきというガイドラインは適当だと思います。

ただし一番の問題は、私たち個人が日常的にどのくらいの塩分を摂取しているか把握していないため、ガイドラインが活用されていないことです。米国人の食事中の食塩の75%以上が、レストラン、加工食品やファーストフードなどに由来しています。日本人における食生活の問題も同様であると思います。

まず、新鮮でバランスのよい食品を選び、自分で調理することが、減塩の一番の方法だと思います。新鮮な食品には、ナトリウムの含有量は低く、調理するときに、食塩の摂取量が確認できます。しかも、新鮮な野菜や果物にはカリウムが豊富に含まれていて、余分な塩分が排出されます。

摂取する食塩の量をきちんと把握するために、できるだけ自分または家庭で調理することと、新鮮な野菜を通じてカリウムの摂取に努めることが、結果的に「塩分を控えめ」にすることにつながると言えるのだと思います。

大西睦子(おおにし・むつこ)
医学博士。東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部附属病院血液・腫瘍内科にて、造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月より、ボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。2008年4月より、ハーバード大学にて、食事や遺伝子と病気に関する基礎研究に従事。著書に『カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側』(ダイヤモンド社)。
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5月1日の『発酵の泰斗と語らう、「不思議な発酵の国・ニッポン」』で、以下のような、小泉武夫さんの発言があります。

小泉:納豆のような例外もありますが、ほとんどの発酵食品で塩が使われます。四方を海に囲まれた我が国には、発酵食品を造る素地が整っていたのです。

小泉:これは、北海道産天然鮭のアラと白子を使った魚醤です。魚の内臓を使っているにもかかわらず、全く生臭さが感じられないのは、臭いの原因となる魚脂を、微生物が分解してくれるため。塩と麹の力なのです。
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東京大学教授(社会予防疫学)佐々木敏さんは、塩、醤油、味噌など調味料から摂る量は全体の約7割と言われますが、大西睦子医学博士によれば、米国人の食事中の食塩の75%以上が、レストラン、加工食品やファーストフードなどに由来しています。日本人における食生活の問題も同様であると思いますと言われますが、どちらが実情でしょうか。

大西睦子さんが以下のように仰っているのが、至当ではないでしょうか。

摂取する食塩の量をきちんと把握するために、できるだけ自分または家庭で調理することと、新鮮な野菜を通じてカリウムの摂取に努めることが、結果的に「塩分を控えめ」にすることにつながると言えるのだと思います。

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<http://www.chiffonya.com/shop/mineralbalancesalt.htm>

5月23日読売新聞朝刊に、HottoMottoの宣伝がありました。

「敵塩」か。「適塩」か。

4月から、ほっともっとはお弁当メニューを平均16%減塩。
塩分は生活習慣病や高血圧の要因とも言われ、近年、悪者あつかいされがちです。でも、本来、塩は人が生きるうえで欠かせない栄養素。味付けの基本であり、おいしさのベースを支えるもの。塩に罪はありません。問題は、摂り方や使う量にあるのです。

私たちが心がけるのは、メニューに応じたちょうどいい塩のの量と、そのふさわしい使い方。いわゆる「適塩」の考え方です。レシピから単純に塩の量を減らすと、味のバランスが崩れてしまう。だからその分、香辛料やお酢を加えて工夫をする。あるいは、塩を加えるタイミングを変えたりもする。そんな小さな努力を重ねながら、おいしさは絶対にあきらめないという姿勢で、なんども試作と試食を重ねて辿りついたのが平均16%の減塩。塩を敵視するのではなく、おいしさと健康を見つめて、ひとと塩分とのよい関係をつくりたい。そう考える、ほっともっとです。



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