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医療費抑制&がん予防は、
小学低学年のみなさん次第?

日本薬科大学学長丁 宗鐡さんの医療費抑制の処方箋と日本対がん協会会長垣添忠生さんのがん対策です。ご一読ください。

以下は日本薬科大学学長丁宗鐡著「病気がイヤがる暮し方」からの転載です。
▼「まえがき」の全文です。

私は漢方専門医として長年、たくさんの方々を診療してきました。現在は日本薬科大学で、漢方医学と統合医療学の講義を担当しています。

あなたは、統合医療という言葉を聞いたことがありますか? 人によっては、総合医療なら知っている、と答えるかもしれません。大学病院などで、総合外来の看板を掲げ、総合医療を標榜するところが増えてきました。そんな流れもあって、「総合医療と統合医療の違いは何か?」と聞かれることも増えました。

統合医療と総合医療は、文字にすれば一文字違うだけですが、内容は明確に異なります。

総合医療は、ちょうどデパートのようなものです。ひとつの病院にいろいろな科があり、全身の疾病を網羅していることを指します。臓器や疾患ごとに専門の科が分かれ、縦割りに細分化されています。それぞれの科の連携は多少はありますが、相互の情報交換が煩雑になされているかというと、残念ながらそうではありません。これが、総合病院の仕組みです。たとえば、高齢になり、体のあちらこちらに不具合が生じてきた場合、症状の出ている臓器を専門とする科をいくつも回ることになります。それぞれの科で薬が出るために、薬の量が増えることもあります。そのため、肝心の食事がとれず、結果的に状態が悪化してしまう場合もあるのです。

システム全体が正常に回って初めて機能する有機体である人体を、部分でしか診ないのは、おかしなことです。健康を維持、増進させるためには、部分の異常や病原菌の種類だけでなく、不具合をもたらした背景をも分析し、対策を立てることが大切です。つまり戦術でなく、戦略が求められているのです。

そこで体と心の健康、そして病気そのものを、もう少し全体的かつ長期的な視点で診ようという動きが出てきました。それが統合医療です。たとえば、仏像の修復をするとき、壊れたからといって真新しい手や足を加えたら、全体がぶち壊しです。美術品としての価値のみならず、仏像の精神的、宗教的、歴史的な価値を理解して、修復しなければなりません。これが統合医療なのです。

もちろん現在必要なのは、まず統合化された視点を持つ医療人の育成です。しかし、同時に患者一人ひとりが統合的な健康感を持つことも必要だと思います。

医療人任せでは、この超高齢化社会を乗り切ることはできません。これまで私たちは、健康管理を医療側に丸投げしてきました。これからは統合医療の視点で、患者一人ひとりが自分や家族の健康状態を積極的に把握しなければなりません。本当の意味でセルフメディケーションが必要とされる時代になったのです。

求められるのは、自分と家族の生活習慣や健康観が正しいかどうかを判断する力です。テレビをつければ、たいていどこかのチャンネルで健康番組が流れていますし、ネットにも健康情報が溢れています。情報の氾濫のなか、いたずらに健康不安ばかりがあおられてしまいます。目新しさを売るにする根拠のない情報に振り回されず、心身の健康維持と増進という大所高所に立ったうえで、皆さん自身がその真偽を判断しなくてはなりません。

かといって、何が正しいか、あるいは間違っているのかを自らの命と人生をかけて一つひとつ実験していくわけにもいきません。

では、どうすればよいでしょう。一番頼れるのは、長い歴史に裏打ちされた知恵です。歴史的にある程度評価が定まっていれば、信頼に足る一つの基準となります。

本書は、健康の原点を見つめ直そうという立場から、現代人が忘れてしまった江戸時代の健康観「摂養」を主題とします。摂養というのは、日頃の摂生、養生、保養を合わせた概念で、日常の心身のメイテナンスが肝心だという認識に立ったものです。まずは個人・家族単位で健康に留意し、いつでも君主を支えられるようにするのが当時の常識でありました。そして、この摂養という考え方には、人間をまるごと見つめる健康観が根底にありました。

社会のシステムは大きく違いますが、病院通いする前にやるべきことはやろう、統合医療的な視点で心身の健康をとらえよう、という姿勢は、現代というよりよい未来につながる重要なヒントになります。

もちろん、古ければなんでもよいというわけではありません。いかに現代に活かすか、という視点こそ大事です。たとえば食事。伝統的な和食が体によいことはもはや常識になっていますが、和食だけ食べていればよいなら、江戸時代の人々はもっと健康で長生きだったはずです。実際は、「典型的な和食」は、全体的に塩分と炭水化物が多く、たんぱく質や味覚を楽しむスパイスが足りません。けれど、和食のよい部分を活かしながら、食が多様化する現代に合ったやり方で再構築していけばよいのです。

このように、先人知恵を座標軸とし、現代に沿った健康法に改良し、再構築していくことが大切です。伝統を参照することで、日々の生活を新しいアングルから見つめ直すこともできます。しかも、実際的で現実的であるだけでなく、誰もが安心して実践できるのですから、やらない手はありません。

古の知恵を生かしながら、現代の事情に則して続けられることがたくさんあります。健康を追及する上で、戦術ではなく、戦略となるたくさんのヒントを、本書に盛り込みました。是非参考にして、よりよい健康を目指してください。

▼「江戸時代の福祉と医療」から、抜粋転載です。

日本の医療費は年間37兆円ですが、2025年には約50兆円に高騰し、税収の51兆円ではまかなえなくなることが予想されます。

本書を通して私が主張したいことのひとつは、自分のと家族の健康に責任を持って日頃から対応すれば、結局、快適で楽しい人生が過ごせるということです。薬局で自己負担で治療薬を購入することは、経済的には一見、損をしているようですが、その方が健康寿命(健康上、支障がなく日常を送れる期間)がのび、自身の人生にプラスになるのです。

付け焼刃的に医薬分業をやった結果、どうなったでしょう? 薬局が大病院のそばに張り付くようにしてでき、かわりに町から薬局がなくなってしまいました。見かけるのはドラッグストアばかり。ティッシュや歯ブラシを売るのではなく、薬の相談ができる専門家がいるところこそが、本来の薬局の姿なのですが。薬局は“店”ではなく、本来、医療機関です。

▼「摂養を現代に生かす方法」の「教育から始まる」から、抜粋転載です。

患者側ではどんな意識改革ができるでしょうか。

出来たら小学校低学年のうちから、子供に摂養を教えることが大事です。たとえば給食の時間は、自分の体質を知り、自分に合った食べ方を学ぶレッスンとして最適です。また衛生について学ぶ絶好のチャンスにもなります。外国の食堂などで平気でコップのなかに指をつっこんで、たくさんの食器を一度に持ち運びしているところを見かけますが、日本人は不衛生だと感じるでしょう。こういうセンスを持てるのは、私たちが子どもの頃に給食の配膳をとおして衛生観念を学んでいるからなのです。

さらに、給食の時間は、健康のためにはどういう食事が理想か、旬の食材はどんなよい影響を与えてくれるかを話し合う場としても有効です。ただ食事をするだけでなく、総合的に食育をする機会にすれば、摂養について学ぶ一歩となるのです。

▼「あとがき」から、抜粋転載です。

たとえば街には、昔から地域に根ざしてきた薬局がいくつもあります。薬剤師は実際に患者の体に触れて診察することも処方箋を書くこともできませんが、しっかり顔を見て話を聞いてくれます。経験豊かな薬剤師なら、継続的に病気の症状から家庭に起きるいろいろな問題まで詳しく聞いてくれて、その時々に応じた薬をすすめてくれるでしょう。ときには、地域内のほかの治療機関や医療サービスを教えてくれることもあります。これを、プライマリ・ケアと呼びます。特に日常的に患者が抱える症状は、ライフスタイルと習慣に関係していますので、家族と地域の特色に合わせた治療が効果的です。

日本の医療の未来は、このプライマリ・ケアにかかっているといえるでしょう。風邪や腹痛、下痢、便秘などは、病院で診てもらうよりも、自分で事前に注意したり薬局で対応する方がよいことも多いのです。プライマリ・ケアで対応できるのに、こういった症状で病院に来る患者の数は、日本では全体の半数を超えるといわれています。

高齢化が大きな問題となるこれからは、プライマリ・ケアに相当する領域がより広まることが望ましいでしょう。高齢者が訴える症状は、その多くが加齢によるものです。骨粗鬆症や動脈硬化、高脂血症などは、漢方医学的には病気とは見なしません。高血圧症や糖尿病もそうです。

これらは未病という、病気に向かっている状態。病院で診断がついたら、あとは薬剤師によく相談し、セルフメディケーションで継続的にフォローし、命を危険にさらす病気にかからないようにすることが必要です。こういうあり方が今後の日本の新しい医療の形態となっていくのではないでしょうか。

その際、「自分の健康は自分で守る」「自分と家族の健康に責任を持つ」という意識が、とても大切です。
                ◇
丁宗鐡氏 1947年生まれ。横浜市立大学医学部卒業。米国スローン・ケタリングがん研究所に客員研究員として留学。日本東洋医学会漢方専門医・指導医、北里大学・東洋医学総合研究所部門長、東京大学大学院客員教授、東京女子医科大学特任教授を経て、現在に至る。
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▼以下は2月15日読売新聞【地球を読む】の
日本対がん協会会長垣添忠生さんの「がん教育 幼少期からの開始が効果的」の転載です。

世界のがん対策は予防、検診、治療、緩和ケアの四本柱で進められている。しかし、進行がんの場合、治療は難渋を極め、患者や家族の負担は大きい。しばしば期待する成果も得られない。医療費も莫大となる。

最も効率のよい対策は、予防と検診に力を注ぐことである。その重要性を伝えるがん教育は従来、大人を対象としてきた。しかし、喫煙者は期待されたほど減らず、検診の受診率もさほど上がらなかった。

大人は、たばこの害やがん検診の重要性を、一般論として認識していても、自分の問題として捉えてくれない。やれ、仕事が忙しい、自分は健康だ、体調が悪くなれば病院に行けばよい、などと様々な理由を挙げ、たばこをやめず、あるいは検診を受けない。そして、いざ、がんと診断されると頭が真っ白になる。2人に1人ががんになる時代に、これでは困る。

そこで、大人を対象にしていたのでは遅い、という認識が広がりつつある。「がん教育は子どもから」である。筆者も中学生や高校生を対象に3日間の<集中講義>をし、生徒たちが驚くほどの理解力を示してくれた経験を持つ。

文部科学省は、主として中高生向けに、がん教育を広げようとしており、学習指導要領にも、生活習慣と病気を関連づける記述はある。しかし、一方で、中高生中心の教育では不十分という指摘がある。さらに踏み込んで、小学生までを含めた、がん教育について考えてみたい。

その点で、米国の科学誌「サイエンス」の昨年3月28日号に、興味深い論文が掲載されていた。

まず0歳から5歳までの子どもを二つの群に分ける。生活指導や遊びを通じて、言葉の発達や感情の制御、認識力の向上をめざした特別なカリキュラムで教育を受ける群と、普通の生活を送る群だ。さらに、6歳から8歳までの段階では、算数と読解力の向上をめざして学校と家庭が連携した特別な教育を受ける群と、学齢期の普通の教育を受ける群に分ける。そうして、大人になった時の健康状態を追跡したのである。

その結果、介入をした群では、30代半ばの血圧が有意に低かった。また、体格指数(BMI)などを見ても、太り過ぎが有意に少なかった。幼少期の教育的介入の効果が30代半ばの健康状態に影響しているということなのである。

従来、こうした介入を行うと、将来の犯罪が少なく、その後も教育をしっかり受け、資産が多くなる、といった結果が出ることは知られていた。だが、健康維持にまで長期にわたって効果があるという指摘は、初めてではないだろうか。

親の生活改善 子が促す

子どもに対するがん教育は、子どもが大人に影響を与えるという点でも効果的である。スリランカにおけるがん病理学者、小林博・北海道大学名誉教授の長年にわたる活動が好例だ。

スリランカで多い口腔がんや食道がんの原因は、国民に広く浸透した噛たばこの嗜好の結果とされていた。小林氏は、噛みたばこという生活習慣の改善を求めて大人に働きかけるよう政府に促した。しかし、政府のキャンペーンの効果はさっぱりだった。ほとんどあきらめかけた頃、「大人が駄目なら子どもを説得してはどうか」と思いつき、これが功を奏した。

スリランカ南部のモデル校4校で、小中学生が互いに、がん予防や健康な日常生活などをテーマに繰り返し討論する場を持つようにした。その内容を定期的にニュースレターとして子どもたちが配信もした。

すると、3〜4年のうちにまず、4校の登校率が6〜8割から8〜9割に向上した。そして、5〜6割あった大人の喫煙率が2〜3割に低下したのだ。

親たちは、子どもが熱心に説く噛みたばこの害だけでなく、喫煙一般の健康への影響を理解し、納得して禁煙するようになった。さらに、太り過ぎや塩分の取り過ぎに注意を払う大人も増えてきたという。

がん教育の推進は、わが国が2012年度に策定した第2期がん対策推進基本計画にも盛り込まれた。これを受けて、文科省は14年度、全国21の道府県政令市を、がん教育のモデル自治体に指定している。

指定より一足早く、東京都豊島区では、12年度から小学6年と中学3年を対象にしたがん教育を導入した。また、京都府では13年度に、小中高校20校で、がん治療医やがん経験者らの出前授業を実施している。

これらの授業を受けた子どもたちからは、「がんは身近な病気と知った。親に検診を勧めたい」という感想が聞かれ、小学生でも効果を実感しているという。

筆者が会長を務める日本対がん協会でも、各地の学校でがんに関する出前授業を行っている。生徒から「親に禁煙を勧める」「家族とがんについて話そうと思う」といった感想が寄せられる。これまでの対象は中学生や高校生だが、今後は小学生も対象に含めたいと考えている。

がんを教える絵本を配布する活動もある。その絵本は、関西で活動するNPO法人アットホームホスピス理事長の吉田利康氏が、13年に作った「がんって、なに?」で、全国に1000部以上配布された。

人はいつか死ぬこと、人も動物も植物も細胞からできていること、細胞の中にあるDNAが傷つくとがんが起こることなど、難しい内容がさらりと温かい絵で示されている。

吉田氏によると、わからないながらくり返し絵本を開く幼い子も多い。祖父母を看取った子どもにはよく受け入れられるという。

国際対がん連合(UICC)は、毎年2月4日を「世界対がんデー」として、各国で様々な対がん活動を展開している。UICC日本委員会も、2月7日に「がん教育は子どもから」をテーマにしたシンポジウムを開いた。このテーマは今回が4回目になる。多数のがん関連組織を代表する人たちが参加し、盛会だった。

子どもへのがん教育の充実には、日本UICCのメンバーや、がんを体験した学校の先生、あるいは一般のがん経験者らが、どんどん各地の学校に出向く必要がある。

同時に、学校の先生方にも、がんの系統的な勉強をしていただく機会をくり返し持ちたい。がんの知識を注入するのではなく、人の生命の有限性、がんを含めた多くの病気と生活習慣の関わりなどを子どもたちが意識するように仕向けることが大切だと思う。

一種のしつけのように、知らず知らずのうちにがんや人の生命のことを学び、それを家族と話し、親にも働きかける機会につながればすばらしい。

子どもからの<要請>に親が応える――。そんな、従来なかった動きに、ぜひつなげたいものである。
                ◇
垣添忠生氏 1941年生まれ。東大医学部助手などを経て国立がんセンター病院勤務。手術部長、院長、総長、名誉総長を歴任。2007年3月から現職。
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丁宗鐡さんと垣添忠生さんの話はいみじくも、小学低学年の教育の重視です。
それが医療費のダウンになるには相当の時間を必要とします。ですから、喫緊の課題です。

小学低学年の教育の重視は、前回のメルマガのあとがきに述べた通りでした。

もし、「健康マーク」の目的が、「健康寿命の延伸に向けて、その基盤となる健康な食事について、どのようなものかを示し、多くの方々に広く認識してもらうことにある」のならば、小学校の食育に力(金と人)を注ぎ、子から親へ、孫からおじいちゃん、おばあちゃんに伝えてもらう方が、効果があると思うのですが、、、。

医療費のアップを安易に消費税アップに連動せず、国民一人ひとりも現状を理解し、諸官庁は丁宗鐡さんや垣添忠生さんなどの意見を聞き、医療費の抑制を国家を上げて取り組んで頂きたいものです。



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