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できないことは諦める…私の脳科学的健康法

10月7日 yomiDr.コラム「茂木健一郎の I love 脳」より転載

ストレスは健康の大敵。私自身にも、経験がある。

ふり返れば、30歳くらいまで、人間関係が苦手だった。そのせいか、知らず知らずのうちにストレスをためていたらしい。

健康診断の時など、よく、医者に心臓の音がおかしい、と言われた。ところが精密検査を受けると、特に異常がない。医者が、首をひねって言った。「君、ストレスをためやすい性格なんじゃないの?」

今思えば、ポイントが一つあった。それは、脳がストレスをコントロールできるかどうかという問題の核心にかかわる。

人間関係は、大抵思うようには行かない。恋愛でも、大学の研究室内の人間関係でも、あるいは友人との関係でも、自分の思惑とは異なる展開になることが多い。

そんな時に、自分が本来コントロールできないことまでコントロールしようとすると、どうしてもストレスがたまる。そもそも、自分が直接どうこうできないことなのだから、諦めればいいのに、それができない。結果として、フラストレーションがたまる。

例えば、恋愛で言えば、自分がこんなに努力しているのだから、相手も、と思ってしまう。ところが、よく考えてみれば、恋愛というのは自分が相手を勝手に好きになって、相手も自分の都合で好きになるのである。それがたまたま一致した時にハッピーなのであって、努力すればどうかなるという「成果主義」の世界ではない。

ストレスをためない一番のコツは、人間関係でも何でも、自分のコントロールできることについてはベストを尽くして、そうでないことについては運に任せることである。このような「切り分け」が出来ていれば、人間の脳はすっきり働いてくれる。自分ができることとできないことがはっきりしていれば、運動系の回路も働きやすいからである。区分ができないと、イライラがたまる。それはそうだ。時間が経ってほとんど一体化したセロハンテープをはがそうとしているようなもので、本来簡単にはできないことをしようとするのだから。

周囲の人間を観察すると、ストレスをためている人は、自分がコントロールできることと、できないことの区別に失敗している人が多い。かつての私もそうだった。

その頃の苦い経験があるから、同じ失敗をしないようにしている。自分の作用の及ばないことについては運に任せ、うまく行けばよろこび、ダメだったら諦めて、ストレスをなるべくためない。これが、私の「脳科学的健康法」である。

茂木健一郎(もぎ けんいちろう)
脳科学者、ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。1962年、東京生まれ。東大大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。クオリア(感覚の持つ質感)をキーワードに脳と心を研究。最先端の科学知識をテレビや講演活動でわかりやすく解説している。主な著書に「脳の中の人生」(中公新書ラクレ)、「脳とクオリア」(日経サイエンス社)、「脳内現象」(NHK出版)、「ひらめき脳」(新潮社)など。


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