トップページ知って得する講座弁当はおにぎりが一番

弁当はおにぎりが一番

以下は、読売新聞8月4日日曜版「味な話 藤原正彦さん(数学者)」より転載。

子供の頃、夏休みの1ヶ月は必ず祖父母の暮らす八ヶ岳山麓の村で過ごした。お盆になるときまって、祖母が申し訳なさそうに「お盆花をとってきてくれりゃあ、ありがていだが」と私に言った。お盆花とは「のの様」(神仏)に捧げる花だ。近所の遊び仲間も同じ状況で、連れ立って山へ入るのが恒例だった。

全員が麦わら帽をかぶり、ビク(竹籠)を腰につけ、その中に鎌、そして風呂敷に包まれた弁当を入れていた。水は所々に湧き出ている清水を飲む。2時間も登ると大きな松があり、その下の岩場で昼食だ。この辺りは南斜面で、お目当てのキキョウや山ユリが多い。

風呂敷を開くとどの子の弁当も新聞紙にくるんだおにぎりだった。おにぎりの水分で濡れた新聞を広げると、海苔の香りが鼻腔に広がった。真ん中に梅干しの入った大きなおにぎりが一つだけあった。心地よいそよ風に吹かれながら両手で抱えて食べる。祖母の手を抱えているようだ。おかずなどはなかったがこれほど楽しい昼食はなかった。

おかずがないと書いたが、この辺りでは普段の食事にもおかずはほとんどなかった。基本的には御飯、味噌汁、漬物だけで、夏には畑でとれた野菜が加わる。我が家では週に一回ほど、村に一軒の豆腐を作る農家から豆腐を買ってきた。ごちそうだった。

おにぎりが一番と目覚めた私は、学校の運動会や遠足ではいつも母におにぎりを頼んだ。母のものの真ん中は塩鮭か梅干しだった。時々気紛れで稲荷ずしを作ってくれたが、おにぎりには到底適わなかった。一度だけ、遠足になぜかサンドイッチを作ってくれたことがあった。昼食時に友達がおにぎりを 食べているのを見て、羨ましさと惨めさでいたたまれない気持ちだった。野外において、サンドイッチは完全かつ徹底的におにぎりに格負けするのだ。

日本人なら誰でもおにぎりだろうと思っていたら、女房は「お弁当はいつもサンドイッチに紅茶だった」と言った。一回り若いためおにぎりに目覚めていないか、アメリカ生まれで洋風かぶれだったのか、とにかく驚かされた。

そのせいか家族で暮らしたイギリスでは、子供達の弁当は常にランチボックスに温かい紅茶とサンドイッチだった。参観日や運動会でそれを見た母親達には大いに感心されたらしい。向こうの子供の弁当ときたら、キットカット1個と人参1本、青リンゴ1個とポテトチップの小袋1つなどというものも多かったからだ。女房は得意そうだったが、本当は、おにぎりで堂々と圧倒して欲しかった。

▼おむすび 希望をともす
<http://www.chiffonya.com/shop/kouza/titoku241.htm>
▼海に、山に。蘇生塩で最高においしいおにぎりを!
<http://www.chiffonya.com/shop/mineralbalancesalt.htm>


                         トップページに戻る               ▲ページの先頭に戻る

サイトマップ商品一覧
ふんわりシフォン日記お客様のご感想集Mrs.KURIの簡単レシピ集ふれあい写真館

FLOURひろ:〒145-0071東京都大田区田園調布1-31-11:tel 03(5755)5050