トップページ>知って得する講座>調理革命=リンゲル調理法“柔らかくジューシーに肉を焼く法”
肉を柔らかくする酵素剤の中の塩 肉を柔らかくする「ミート・テンダライザー」を買ってきました。ラベルを読んだら、原材料のほとんどが塩でした。肉を柔らかくするのは塩なのでしょうか。もしそうなら、「ミート・テンダライザー」など買う必要はなくて、家にある塩を使えばいいことになると思うのですが。
肉を柔らかくするには、いくつかの方法があります。ひと切れの新鮮な肉は――できるかぎり遠まわしに表現すると――新鮮な食用肉に姿を変えた瞬間から数週間経つと、柔らかさが増します。だから肉は、湿度の調整された2℃の環境で2日から4日間、吊るして熟成させるのです。なかには20℃で、わずか48時間のスピード熟成をさせる肉もあります。いずれにしても、熟成にはある程度の時間がかかるものです。そして、時は金なりというわけで、スピード熟成さえさせずに食肉加工業者から出荷される肉もあります。熟成は肉を柔らかくするだけでなく、風味もよくしてくれるのですから、これは非常に残念なことです。 しかしながら、タンパク質を分解する性質を持ち、肉を柔らかくするのに使える酵素を含むフルーツがいくつかあります。パイナップルに含まれるプロメライン、イチジクのフィチン、そしてパパイアのパパインなど。ただし、これらの酵素は肉の奥までは浸透せず、表面を柔らかくするだけですから、ステーキにはあまり役に立ちません。さらに、約80℃を超えると破壊されてしまうため、効果があるのは加熱調理前だけです。 解決策? 十分に熟成させた肉を売る店を見つけるか、もともと柔らかい肉を買うことです。もちろん、そんな肉は値段も高くなります。 それから、スーパーマーケットの香辛料・調味料コーナーに行ったら、ハンバーグ・シーズニング、ポーク・シーズニングなど、いわゆる「シーズニング・ミックス」のラベルをチェックしましょう。主要原材料、すなわちリストの最初に書かれているのは、塩です。リストの最後まで読み、その中のスパイスを一つか二つ買って、料理のときに自分で味つけすればいいのです。ほとんど塩でできているものを買うのに、スパイスの値段まで払う必要はありません。 以上は、ロバート・ウォルク著「料理の科学@」から、転載しました。 ロバート・ウォルクさんが、「十分に熟成させた肉を売る店を見つけるか、もともと柔らかい肉を買うこと」が解決策といわれましたが、八籐 眞さんが提唱する「リンゲル調理法」で、肉を選ばずに、柔らかくジューシーな仕上がりになります。 肉を選ばずに、柔らかくジューシーに焼く方法 (1)肉は砂糖水を塗って10〜20分置く 砂糖水:浄水100ml+砂糖又はミネラルバランス糖10g+カルマックス0.2ml ミネラルバランス糖の作り方 以下は、ロバート・ウォルク著「料理の科学@」から抜粋転載です。 家庭で料理したフォアグラや鹿肉のカルバッチョを食卓に出す直前、複雑な形状の粗い海塩を振りかけるとしたら、どんなものがいいでしょうか? シェフたちの賞賛をもっぱら集めているのは(さてどこでしょう!)フランス産で、ブルターニュ半島南部のゲランド、あるいはノワールムティエ島やレ島の海水からつくられた塩です。こういった塩には、いくつかの形状があります。グロセル(大きな塩)とセルグリ(灰色の塩)は重みのある結晶で、塩田の底まで沈んでいるため、粘土や藻がついて灰色の塩になります。 海塩の戦いのなかで、チャンピオンはフルール・ド・セル(塩の華)だという点に関しては、ほとんどの専門家の意見が一致するところでしょう。太陽と風が最適の状態になったとき、フランスの塩田の表面にできる結晶の繊細な層です。ごくわずかな量しかできず、また、塩田の表面から手作業で丁寧に収穫しなければならないため、フルール・ド・セルの価格は最高レベルで、(それゆえに、と言うべきか?)一流シェフたちから非常に高く評価されています。フルール・ド・セルの結晶は脆くてピラミッド型をしているので、比較的水分の少ない食品に、食卓に出す前、あるいは食べる直前に振りかけ ただし、加熱調理にこの塩を使うのは無意味です。 塩を調理に使うとき、結晶のサイズや形は関係ありません。なぜなら、食品の水分に溶けて結晶は完全に消えてしまうからです。そして溶けてしまえば、テクスチャー(食感や歯ごたえ)の違いはまったく存在しなくなります。これもまた、水分を含む料理に海塩を指定するのがばからしい理由です。そもそも水分を含まない料理など、あるでしょうか? 野菜やパスタを茹でるための湯に海塩を使うにいたっては、無意味もはなはだしいものです。 「肉を選ばず、柔らかくジューシーに焼く法」で紹介しましたように、“蘇生塩”は水に溶かすことで、新たな価値が生まれます。 “蘇生塩”が「塩を超える塩」である所以です。 |サイトマップ|商品一覧| FLOURひろ:〒145-0071東京都大田区田園調布1-31-11:tel 03(5755)5050 |