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心がけたい三つの「休め」

6月18日の読売新聞夕刊の「読書と出版」の欄に、■なるだけ医者に頼らず生きるために私が実践している100の習慣=五木寛之著、中経出版、千365円。 健康に楽しく年齢を重ねる「エンジョイ・エイジング」の秘訣を公開。20万部突破のベストセラー「養生の実技」の実践編。という広告に魅せられて、早速読んでみました。

「第1章 私の心がけ――日々の養生を楽しむ」から、「心がけたい三つの『休め』」を転載しました。ご一読ください。
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私はいま、とりたてて大きな病気もしていません。

八十歳のこれまで、病院に行くことなくすごせてきたのは、幸運の一語につきますが、それでも一分か二分かは、自分なりの趣味や道楽としてやってきた、体への気遣いのおかげもあったのではないか、と思うのです。

その一分のところをみなさんにお話しするのが、本書です。ですから「これをやっていれば元気に生きられるよ」という類の本ではありません。毎日を生きる姿勢のヒントになれば、と思っています。

私は、できる限り、体に対する気遣いをしてきました。それは気休めかもしれません。しかし、気休めは大事なことだというのが、私の養生の根本です。

私が大切に思っている、三つの「休め」を、ここでご紹介します。それは、「気休め」「骨休め」「箸休め」の三つです。

気休め

私たちは、ストレスのなかに生きているわけですから、自分がホッとするような時間、くつろげる時間をもつことが大事です。

気を休める時間、「まあ、なんとかなるだろう」と思える時間。「根をつめてもどうにもならない、どうすればいいか」とひと晩延々と考えるより、「明日は明日の風が吹くから、なんとかなるだろう」と考える。これは気休めです。

「大丈夫。きみなんか顔色がいいし、元気でやれるよ」と言うのは気休めの言葉かもしれませんが、これは必要なことなのです。

知り合いの新聞社の人で、非常に優しい人がいます。その人は私と顔を合わせるたびに憂い顔で、「先生、昨夜、徹夜しました?」「いま仕事が大変なんじゃないですか?」「ちょっとお疲れのようですけど」「きょうは顔色がよくありませんね」と気遣ってくれるのですが、私はこれがいやいやでしようがありませんでした。

「なんでこの人は、会うたびにそんなことを言うんだろう。嘘でもいいから『昨夜たっぷりお眠りになられたようですね?』と言えないのだろうか」と思うのです。

そういう気休めを言ってくれない人は、どんなに誠実で仕事ができても、やはり疎遠になります。昔は、「佞奸」という、おべんちゃらだけを言う人間を近くに置いていた将軍や王様がいます。それが誤りのもとだとみんなから言われるものの、正しいことを言ってくれる正直な人だけをそばに置きたくありません。

人としては、気休めを言ってくれる人がどうしても必要なのです。嘘でもいい、お世辞は聞いていて気持ちがいいのです。だいたい、忠告されて「あ、それは気がつかなかった。自分にそういう面があるのか」と思うことは、じつは自分でも薄々感じていて、でも自分ではそうは思いたくないと思っていることばかりです。

ですから私は、気休めは大事だ、人には気休めを言うべきだといっているのです。「病は気から」というように、「気」を「休める」ことは大事です。養生法、健康法、鍛練法はいずれも「気休め」にすぎないかもしれません。この「気休め」という言葉を、私は文字どおり受けとめています。「『気』を休める」「安らかにする」「安定させる」ことと考えているのです。

私の養生生活の基本は、「すべての健康法は気休め」という考えから出発しているのです。

骨休め

もともと、人間の祖先は四足歩行していた動物で、海から上がってきて二足直立歩行をするようになりました。これは非常に無理な姿勢で、腰痛は人間の宿命です。四足歩行をしている犬やオオカミなどには腰痛はありません。

ですから私は、腰痛の治療法の一つとして、四つ足で歩きまわることを人にすすめたり、自分でもやったりしたことがありました。

骨を直立させて重い頭蓋骨を支えていますから、まっすぐ立っているときはなんとかなります。しかし腰を曲げるときなど、腰に大きな力がかかるわけです。そのため、私は「腰は曲げるな。腰は折れ」と言っています。

背筋を伸ばし、昔の軍隊の礼のように腰を折ると負担がかかりません。腰を折るのと曲げるのとではまるでちがい、曲げると骨にものすごく負担がかかるのです。

また、骨は体や筋肉を支えているだけではなく、免疫細胞のような大事なものを生産しています。

私たちを病気などから守る免疫細胞であるマクロファージ(大食細胞)、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)などが、胸腺で育てられていることはいまや常識です。しかし、胸腺がそんなに大事な器官だということは、昔はわかりませんでした。1960年代になって、ワトソンとクリックの螺旋状のDNAが発見される時代に、胸腺の機能がやっとわかってきたのです。

胸腺は若い十代のときがピークで、老いていくにしたがってどんどん衰退し、五十をすぎるとほとんど跡形もなくなるそうです。そのあと、白血球やリンパ球といった人間の免疫細胞、抗体はつくられないのか、というとそうではありません。胸腺に代わって、腸が免疫機能をつかさどります。

また、骨免疫学という学問も注目されはじめています。骨が人間の健康にプラスになる細胞、身体機能のバランスを保つ内分泌組織の役割をしているらしいことがわかってきたのです。

ですから無理な負担をかけず、骨を休ませることが大切なのです。私は、骨休みを、ふだん縦になっている骨を、横になって休ませることだと考えています。

仕事の合間にちょっとリラックスするだけでなく、時間があれば横になって骨自体をゆっくり休ませてやるのが骨休めです。

骨の負担を和らげてあげる意味でも、骨休めはとても大切なことなのです。

箸休め

人は一日一食で十分、と提唱している本がベストセラーになりました。人間は食べすぎで、そんなに食べなくてもいいのだ、という意見です。

比叡山の千日回峰行をなしとげた行者さんたちの暮しを見ても、食事は一日二回。豆腐半丁とジャガイモ二個にうどん半皿という質素な食事で、とんでもない距離を歩きまわる。インプットされるものと、それに使うエネルギーとの比率が、現代の栄養学では合いません。

「人は食べないでも生きられるなどと、そんなバカな話があるか」と思うかもしれませんが、そんなバカな話があるのです。私は、「このことについて、どうして専門家はきちんと説明をしてくれないのか」と言いつづけているのですが、誰もそれに触れようとしません。

インドでも断食聖人はいますし、イスラムの人たちのラマダン、明治から大正にかけて活躍したジャーナリスト・村井玄斎さんも、三十五日間の断食をくり返し、ルポしています。

たとえば一週間のうち一日くらいは、食べない日があってもいい。箸を休める。常に食べられる状態で常に食べているのは、よくないことです。


気を休める、骨を休める、箸を休める。この三つの「休め」はすごく大事だと思って、私は実践しています。
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「自分で延命する五木流・なまけもの養生法」とか「楽しく歳をとるための常識破りの健康法」とか帯に書かれていますが、以下に転載しました「はじめに」と「100の習慣の内、最初の三つ」でおわかりのように、大変納得できる内容です。ぜひ、ご一読をお勧めしたい一冊です。

以下は、「はじめに」から転載です。

私は八十歳になりました。そのあいだに、偏頭痛、腰痛、過呼吸など、様々な病と付き合ってきましたが、いまでも何とか元気に過ごしています。

人間の体は複雑で微妙です。その体が発する信号「身体語」を日々、正しく受けとめること、それが養生の第一歩です。

そもそも養生とは、「自分の体とのコミュニケーション習慣」です。

難しく考えることはありません。どんな健康法やダイエット法でも、「日常のなかで簡単にできる」ことでなければ三日と続かないでしょう。

今回ご紹介する私の「イージー養生法」は、きたるべき人生最後の瞬間を幸福に迎えるために、気軽に、楽しみながら日々過ごすための習慣です。

一つ、二つからでもいいのです。みなさんも、この本の中から「これなら自分にもできそう」というものを探して楽しんでみてください。
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以下は、「100の習慣」の内、最初の三つです。

(1)曲がることのない枝や心、強くて固い体も折れてしまう。屈すること、しなうこと、曲がることは、心にも体にも大事なことである。

(2)与えられた天寿を十分に生ききることが、養生の目的である。天寿に標準はない。十六歳の天寿もあれば、九十六歳の天寿を与えられている人もいる。命はながらえて恥多き人もいれば、短くとも納得のいく生を全うする人もいる。養生は長生きの工夫ではなく、充実した人生を送るためのもの。

(3)耳をすまし、大切な人に対するように心を開いて体に接する。自分の体と「身体語」を使って毎日必ず会話する。


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