トップページ知って得する講座私の習慣食卓日記――85歳父と楽しんだ昼酒は「秋鹿」「呉春」

私の習慣食卓日記
85歳父と楽しんだ昼酒は「秋鹿」「呉春」

週刊新潮4月25日号より転載

3月30日(土)
「勝谷誠彦の××な日々。」という有料配信メールを三百六十五日、朝十時までに必ず送っている。そのために起床は四時ごろになることが多い。さまざまな情報をあつめて四百字詰め原稿用紙十二枚半の文章を書くにはそれくらいかかるのだ。

配信し終えて昼過ぎからテレ朝で「TVタックル」拡大版の収録。十六時終了、西麻布の「おそばの甲賀」でこの日最初の食事だ。私は基本的に一日一食を長年続けている。「これでいいやという飯は食わない」と決めると自然とそうなった。時間が惜しいせいもある。食事のあとは頭の働きもよろしくないし。

筍と菜の花の煮浸し、玉子焼き、鶏レバー焼きなどで、ビール一本、日本酒二合。奈良の『ふた穂』と岐阜の『三千盛』。後者は常温が合う。軽井沢の自宅に帰る。

3月31日(日)
拙宅からは妙義山の向こうに陽が昇るのが見える。眺めながら配信のための日記を執筆。この日の一食は昼食にすることに。家に上がる時に買っておいた春キャベツを桜海老入りのがんもどきと煮浸しにする。がんもは築地のお気に入りの豆腐屋のものを持ってきた。地元のウドを芥子和え、皮はキンピラに。鶏の胸肉をオリーブオイル、弱火でソテー。酒は『香住鶴』。一升瓶を立てて入れられる業務用の冷蔵庫を持つ。キッチンそのものが完全なプロ仕様なのだ。だが料理は時間を食うので軽井沢だけでと決めている。

4月1日(月)
朝いちばんの「あさま」に乗っても日本テレビの『スッキリ!!』に間に合わないのが実に口惜しい。昨夜のうちに帰京した。皇居近くの仮寓で二時半起床。番組前に日記を送るにはどうしてもこの時刻になる。

十六時からはニッポン放送の『ザ・ボイス』。この日は都合四時間、生で喋っていることになる。

番組のゲストに生活の党代表の小沢一郎さんに出ていただいた。そもそもは一献酌もうと約束していたのだが「だったらその前に番組もお願いします」となった。本来の目的であった会食は私が設営した四谷三丁目の「日乃丸酒場うのすけ」。白魚と三つ葉の玉子とじ、マグロのヅケ、シコイワシの酢漬けなど。この店は東京を中心とした関東の日本酒を愛している。私が小沢さんに勧めたのは『喜正』。あきる野市の蔵である。狙い通り、喜んでもらえた。

4月2日(火)
日記を書きながら、福岡のRKBラジオ。レギュラーの電話出演。終えて週一回、ネットで配信している小説『天国の一番底』を数枚書いたあとジムへ向かう。ボクシングの練習である。もう七年半になる。戦績は一勝四敗。いつも通りシャドウ二R、ミット二R、サンドバック十四R、ロープ千四百回などこなす。ちょうど小欄を読んで下さっているころ試合があるので、マスボクシングも二R。実際に拳を交えるのが「寸止め」だ。練習時間は二時間半、終えて計量すると六十キロちょっと。身長は百六十八センチ、体脂肪率は十三パーセントである。

夜は「成城石井」で惣菜を買って仮寓で食べる。ここのものは添加物がないので。春野菜と湯葉の柚子胡椒あえ、鶏と卵の大葉つくね、など。酒は『花の井』の純米吟醸『明笑輝』を二合。真鍋高校農業科の子どもたちが醸した酒である。旨い。

4月3日(水)
いつもの早起き。小説を書き上げ『ダイヤモンドZAi』の連載も入れる。15時からジム。昨日と同じ内容の練習。地下鉄で新宿三丁目。私は移動は必ず公共交通機関を使い、エスカレーターには乗らない。ゴールデン街で古いつきあいの「赤花」。沖縄料理だ。一人で生きている私の野菜不足を知っているママが「こんなのしかないけどね」とありあわせのジャガイモとミョウガと大根の葉の炒めものを作ってくれる。地元仕込のクープイリチーで泡盛『常磐』を一杯。近くの「月に吠える」に移動してモヒート。

4月4日(木)
早朝からいつもの予定を頑張ったあと正午からジム。この日はスパーリングを二Rこなした。スタミナの消費がマスとは比較にならない。それにしてもはじめたころから信じられないほど体力がついた。52歳でも人とは進化するものなのだ。

仮寓近くの事務所で雑用を片づけているうちに夕方に。わざわざ食べに出るのも何なので、ごく近所のいきつけ「春風駘蕩」。こういう独り飯が私はほとんどだ。タケノコのプランチャをハーフポーションで。仔鴨の胸肉のロースト。国産ワインにこだわるこの店らしく「キザンワイン」の白。日本酒に通じる食中酒絶品。

4月5日(金)
明日朝の『あさパラー!』に出るために早朝から関西入り。老父85歳と門戸厄神の「きらく寿司」で昼食。明石の桜鯛、生蛸などで『秋鹿』『呉春』。父はこの歳でまだ五合は呑む。私も負けずに。甲山の麓にある実家で昼寝。夕刻、大阪へ。鶴橋で降りていきつけの「シュガーレイ」。元ボクサーのマスターがいる。試合前にはここで作戦を練る。水割りを呑みすぎてフックを実演したところで足を滑らせる。まあ実戦ではなくここでダウンしておいた方がいいかも。さあ、このくらいであとはもっと節制の一週間である。
--------------------------------------------------------------------

アドバイス:食生活ユニバーシティ代表、献立評論家(管理栄養士)荒牧麻子

メールを配信するため、夜の明けないうちから原稿の執筆に取りかかる勝谷さん。軽井沢から東京、関西へと、通勤に近い日常を支えているのは、ボクシングで鍛えたフットワークだろうか。

さて、余分な体脂肪のない強靭な肉体と表現しても過言ではない。運動量と食事量が、見事に調整されているからだろう。業務用の冷蔵庫を備えたプロ仕様というキッチンに立ち、季節の恵みを余すところなく身体に送り込む様子が、ありありと伝わってくる。

ひとつ気がかりなのは、一升瓶が何日で空になるのか――ということ。ありていに言えば、休肝日を設ける習慣が必要だろう。

ヒトは日に何食摂るのが望ましいか、結論の出にくいテーマだが、規則的であることが第一のよう。変則を極力抑えることが、心身を安定させるらしい。80点。
--------------------------------------------------------------------

▼勝谷誠彦の××な日々 4月19日号より抜粋転載

4時起床。
発売中の『週刊新潮』の58ページからの『私の週間食卓日記』に登場している。
<私の週間食卓日記/勝谷誠彦>
<http://www.shinchosha.co.jp/shukanshincho/newest/>

3月30日から4月5日までの1週間の動きと食べたものについてだ。いやあ、恥ずかしいですね。その人の本能の部分が見えるということで、食は性に通じるとよく言われるけれども、活字にしてみてよくわかった。できるだけカッコつけないように普段と同じ食生活をしたのだが、ボクシングの試合の前なので、暴飲暴食だけは避けている。ちょうどいいタイミングだった。

登場するのはモノ書きばかりではないので、データをもとに編集部で構成する場合もあるらしいが、もちろん私は自分で書いた。しかし今見ると、まかせた方がよかったような気も。おさえているつもりでも、どこかに自意識過剰な部分が見え隠れするのだ。

たとえばボクシングの試合に触れているが、勝つ気満々。あ〜恥ずかしい。

私の一日のリズムはこの日記をお送りすることから始まっているので、冒頭はもちろんそこからだ。あなたや、あなたも私の『週間食卓日記』に参加して下さっているようなものです。

登場する人々の食生活を受けて管理栄養士の荒牧麻子さんがアドバイスしてくれるコーナーがある。点数をいただくのだが、私は80点!これ、かなりのハイスコアなんですよ。ゲラが回った段階で編集部で「マジかよ」という声があがったそうで、メールまで寄越した奴がいた(笑)。褒めていただいている部分を引かせていただく。こんな恥ずかしいことをするのはもちろんオチがあるからだ。

<余分な体脂肪のない強靱な肉体と表現しても過言ではない。運動量と食事量が、見事に調整されているからだろう。>

それは確かにそうなんです。考えながら食べているのは間違いない。そして。

<ひとつ気がかりなのは、一升瓶が何日で空になるのか、ということ。ありていに言えば、休肝日を設ける習慣が必要だろう。>

これでも荒牧さん、ずいぶんと遠慮して書いて下さっているのが<ありていに言えば>のひとことから伝わって来る。一升瓶、呑む日は一日で空になります。わはははは。

休刊日はみんなで談合して同じ日にやる大マスコミの新聞各社にまかせておけば十分。休肝日を作る時は、この日記が途切れてしまう時だと私は信じている。夜明け前に、きっと前の日の酒精の最後の残滓を燃焼させながら書いているのだから。

ま、おヒマがあれば『週刊新潮』読んでいただき、私の食生活に関するご感想など送って下さい…なんて書くと、どうも読者にはドクターやその方面の専門家が多いからなあ。何言われるかわからないなあ(焦)。

・・・以下、略。

▼勝谷誠彦の××な日々 4月24日号より抜粋転載

4時起床。
6日ぶりの練習。先週、ちょっと熱っぽかったのでしばらく休んでいたが、昨日はよく身体が動いた。

ここでも紹介した『週刊新潮』の『私の週間食卓日記』だが、練習のことなどを書いたのでジムのトレーナーたちも読んでくれていた。「成城石井の惣菜は、添加物入っていないんですか」などと意外なところで突っ込んで来る。「自分もそうしようかな」と。

トレーナーのみなさんは私の子どもでも不思議ではないほど若いが、身体に対する意識がまことに高い。筋肉をどう作るか、合理的な動きはどうか、などはもちろんだが、食べ物についても常に考えているのだ。

チェーン居酒屋などに間違って入ると、口に入れたもので舌が痺れるような感覚を持つことがある。驚いたことに、昨日話しかけてくれたトレーナーも同様な体験をするのだという。「でも、なぜかときどき、無性に食べたくなってふらふらと入ってしまうんですよね」と笑った。その気持ち、わかる。

昔は私もそうだった。『週刊文春』の編集部などで誰かが「マック食べてぇ!」と叫ぶと花田紀凱編集長が「おい、買ってこい」とカネを渡す。すると若手がタクシーで赤坂のマクドナルドまで出かけて何十個と持って帰って来るのである。景気のいい時代だったなあ…って、それでもマックかよ(笑)。

そんな生活だから、その頃の私の体重は今よりも20数キロ重かった。ボクシングで減量したのではない。まだ文春にいたころに3ヶ月で27キロ減らした。むしろ今の方が脂肪が筋肉に置換されたぶん、少し増えている。

ジャンクフードを一切やめて減らしたのだ。安い食い物も。これ、最初のうちは禁断症状が出るんです。ジムのトレーナーの「無性に食べたくなる」はそれなのだと思う。明らかに、チェーン居酒屋やジャンクフードの添加物には習慣性がある。コンビニで売っている弁当などにも。一切そういうものを絶ってしばらくしてから、私はようやく縁を切ることができたのだから。

国がアレルギー対策基本法を作ると、今朝の朝日新聞は1面で報じていた。
<アレルギー専門家育成/教師には研修/対策基本法案>
<http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201304230725.html>

<ぜんそくや花粉症など国民病ともいわれるアレルギー対策を促すため、自民、公明両党が検討中の「アレルギー疾患対策基本法案」の内容がわかった。学校給食での食物アレルギー事故が相次いでおり、教職員らの研修機会を確
保するほか、家族らの相談体制の整備も求める。>

発売されたばかりの『新潮45』の特集もアレルギーで、面白く読んだ。
<アレルギー日本>
<http://www.shinchosha.co.jp/shincho45/newest/>

給食で亡くなるなど不幸なケースはあるものの、アレルギーではそうは人は死なない。「イザ」の時の恐ろしさが実感できる原発との違いだ。しかし、国益ということを考えるとアレルギーの弊害は花粉症ひとつをとっても甚大なものがある。

原因としては日本人が過度の潔癖症になったからと『新潮45』も冒頭の論文で書いているが、食べ物も注目すべきではないか。私の経験でもわかるように、私たちは添加物の海の中にいて、私やトレーナー氏のように、かなり努力しないと逃れることはできない。特に今の子どもたちは、もうその中で生まれ育ってしまった人生だけを歩んでいる。

子どものころから悩まされていた花粉症を、御存知のように私は完全に克服した。減感作療法のおかげだとばかり思い込んでいたが、ひょっとして食生活をまったく変えたこともひとつの原因なのかも知れないのだ。

脱原発のエネルギーが、今後の大きな成長産業と言われている。さきほど触れたように原発問題はわかりやすい。アレルギーは地味だ。しかし、こちらを克服していく過程も、ひとつの大きな産業になりうるのではないか。そして、世界各国とも成長と同時に同じような過程をたどるだろうから、有力な輸出産業ともなりうるだろう。

『食卓日記』をめぐる会話から、サンドバッグを殴りながら私の妄想はそこまで及んでいたのである。だって、殴っている間、脳味噌はヒマなんだもの(笑)。

・・・以下、略。
--------------------------------------------------------------------

勝谷誠彦(かつやまさひこ、1960年生れ)は、日本のジャーナリスト、コラムニスト、写真家、コメンテーター。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属(マネジメント契約)。日本写真家協会会員。株式会社世論社取締役。兵庫県尼崎市生まれ。灘中学校・高等学校を経て、早稲田大学第一文学部中退。

文藝春秋で記者を務めた後フリーランスとなり、現在はコラムニストやタレントとして活動する。現場主義、歯に衣着せぬ論客として知られ、テレビやラジオへの出演も多い。長野県軽井沢町在住。

友人である漫画家の西原理恵子からは「ホモのかっちゃん」「ホモかつや」と呼ばれており、西原氏の漫画にかっちゃんが登場する回はほぼホモネタ、下ネタのオンパレードである。

勝谷誠彦『勝谷誠彦の??な日々。』公式サイト
<http://katsuyamasahiko.jp/>


                         トップページに戻る               ▲ページの先頭に戻る

サイトマップ商品一覧
ふんわりシフォン日記お客様のご感想集Mrs.KURIの簡単レシピ集ふれあい写真館

FLOURひろ:〒145-0071東京都大田区田園調布1-31-11:tel 03(5755)5050