トップページ知って得する講座「米粉パン」が子どもの健康と日本の農業をダメにする!

「米粉パン」が
子どもの健康と日本の農業をダメにする!

幕内秀夫著「もっと変な給食」より転載。

パン食は高脂肪の食生活を招く

文部科学省の調査によると、ここ30年の間に、肥満傾向の子どもは2〜3倍に増え、9〜17歳の男子の10人に1人は肥満であるとの数字が出ています。とくに、男子では15歳で13.5%、女子では12歳で9.8%と最も高い肥満出現率が示されています。それらの大きな要因として、外遊びの減少などによって消費熱量が減っているにもかかわらず、摂取熱量が増えていることがあります。摂取熱量が増えた原因として、「脂質(脂肪)摂取の増加」があることは、今や常識になっていると言ってもいいでしょう。

なぜ、これほど脂質過剰の食生活になったのでしょうか。最大の原因は子どもたちの食事の中に「油脂類」が増えたことにあります。油脂類が多くなった原因として、スナック菓子やアイスクリーム、ケーキなどのお菓子を食べる機会が増えたこと。あるいは、副食に炒めものや揚げ物が増えたこともあるでしょう。

しかし、最大の原因は、主食にさえも油脂類が使われるようになったことにあります。パン、菓子パン、ハンバーガー、ホットドック、ラーメン、パスタ、ピザ、焼きそば、お好み焼きなどです。これまでの日本人の食生活は、油脂を使わない白いご飯が食事全体の半分近くを占めていました。そのため、副食に油脂類が増えても、お菓子を食べたとしても、そのことで脂質が過剰になることはありませんでした。でも、その主食にさえ、油脂類が使われるようになったのですから、脂質が過剰になるのは当然です。

その中でも、最も大きい要因が朝食にパンが定着してきたことにあります。私たちがおいしく感じるご飯やそば、うどんなどは水分を約70%くらい含んでいます。しかし、パンには水分が約30%しか含まれていません。そのためパンは喉を通りにくく、高齢者では喉に詰まらせる事故が起きることもあります。ですから、先も述べたようにパンをおいしく食べるためには、口腔内の粘膜を油脂類でコーティングする必要があります。パンにバターやマーガリンを塗るとおいしく感じるのはそのためです。副食も、サラダにマヨネーズかドレッシングをかけ、卵はハムエッグやスクランブルエッグにし、魚介類が使われたとしてもツナ缶、白身魚のフライ、マリネなどになり、油脂類だらけの献立になります。

ご飯の良さは「粒食」にある

最近、世界的にご飯食が見直されるようになっています。それは先進国での急激な糖尿病の増加という問題が背景にあります。ですから、学校給食の「完全米飯化」の運動をしていても、手応えをひしひしと感じるようになっています。実際に米飯給食回数を増やした自治体はどんどん増えているのです。

しかし、そこにひとつの大きな難問が登場してきました。それが「米粉パン」の学校給食導入という問題です。米で日本酒を作ろうが、せんべいを作ろうが、パンを作ろうが自由だと思います。それをとやかく申し上げる気はありません。問題なのは、それを子どもたちに学校給食で食べさせようとしていることです。

世界的にご飯が見直されるようになってきた大きな理由として、ご飯を主食にすると、油脂類が少ない献立になるとともに、ご飯が「粒食」であるという点にあります。

私たちが熱量(カロリー)のある食べ物を食べると、血糖値(血液中のブドウ糖量)が上がります。たくさん食べると血糖値は急激に上昇しますが、それをインスリンというホルモンが、グリコーゲンや脂肪に変え、血糖値が上がり過ぎないように調整してくれています。ところが、いつも食べ過ぎているとインスリンを浪費することになり、調整がきかなくなって血糖値が上昇したままになってしまいます。それではまずいので、尿中にブドウ糖を排泄します。それが糖尿病です。

ただし、同じ熱量の物を食べても、インスリンの浪費は食品によってまったく異なってきます。ご飯は「粒食」のため消化吸収がゆるやかです。それに比べてパンは「粉食」のため消化吸収が速くなります。吸収が速ければインスリンの浪費が激しくなります。糖尿病の悪化防止につながることが、世界的にご飯が見直される大きな理由になっています。

ところが、同じ米という材料を使用していても、「ご飯」という粒食で食べる場合と、米粉パンのような粉食で食べる場合とでは消化吸収のスピードはまったく異なります。粉食にしてしまったら、米であってもパンと同じように消化吸収が速くなってしまいます。したがって、米粉パンは健康面における米の良い点をまったく無視したものなのです。それを子どもたちに強制的に食べさせようとしているのだから話になりません。

「米粉パン」はご飯を食べない子どもを増やす

「米粉パン」の学校給食への導入は、子どもの健康などまったく考えていない農水省が主導して行ってきました。目的は米の消費拡大です。少し悪い言い方になりますが、子どもの健康を害するとしても、米の消費拡大の目的が達成されるのであれば、少しは意味があるかもしれません。しかし、誰がどのように考えても、「米粉パン」の学校給食への導入が、十年、二十年先を見たときに米の消費拡大にも食料自給率の向上にもつながらないことは明らかです。

パン食には、漬物、佃煮、納豆、梅干し、のり、魚介類、あるいは、味噌、醤油、みりんなどの調味料は合いません。パンと一緒に日本茶を飲む人もいないでしょう。米で作られたパンであっても、パンには、バター、マーガリン、ドレッシング、ハム、ソーセージ、コーヒー、紅茶などが合います。パン食に合う副食や飲み物は、輸入食品(輸入飼料なども含む)ばかりになります。

米粉パンの普及は、食料自給率を下げることはあっても、上げることにつながりません。別の意味でのパン食普及運動です。実際に、いくつかの自治体ではご飯給食を減らし、米粉パンを増やすことが検討されています。こんなバカげた話があるでしょうか。

『朝日新聞』(2008年9月22日)に次のような記事が出ました。和歌山県の教育委員会が、学校給食の米粉パンを中止するというものです。その理由は、米粉パンの材料の米の産地を問い合わせたところ、納入している全農が回答を拒否したというのです。そのため、「国産であることを確認出来ない」、「安全性の確保が出来ない」として、中止することになったのです。よもや、米の消費拡大を叫んでいる全農が、輸入米を混入していたとは考えたくありませんが、なぜ、拒否したのか疑問が残ります。

このようなことも、米を「粉」にすることから起こる問題なのです。粉にしてしまったら、日本の高価な米を使う必要はどこにもありません。粘りのある日本の米がおいしいのは、「粒食」、ご飯にするからです。

子どもの健康を守るためにも、日本の稲作農業のためにも、学校給食の「米粉パン」には反対しましょう。そんな短慮な政策に予算を使うくらいなら、きちんと子どもたちにご飯を食べさせるべきなのです。

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以下は、「もっと変な給食」から「神奈川県藤沢市」の給食献立です。

●2010年2月12日
クリームスープスパゲッティ、チョコシュガートースト、牛乳、バナナ
「先生、これも三角食べしなきゃダメ!?」
●2010年4月28日
ソフトめんきつねうどん、ベイクドチーズケーキ、牛乳
「立ち食いそば屋なら、おにぎりつけるのに…。」
●2010年5月12日
あんぱん、すいとんじる、牛乳、バナナ
「戦時中ならごちそうだよね!!」

前回ご紹介しました「足立区の給食」と天と地の違いに驚きます。
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文部科学省の「学校における食育の推進・学校給食の充実」によれば、

近年、偏った栄養摂取、朝食欠食など食生活の乱れや肥満・痩身傾向など、子どもたちの健康を取り巻く問題が深刻化しています。また、食を通じて地域等を理解することや、食文化の継承を図ること、自然の恵みや勤労の大切さなどを理解することも重要です。こうした現状を踏まえ、平成17年に食育基本法が、平成18年に食育推進基本計画が制定され、子どもたちが食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身に付けることができるよう、学校においても積極的に食育に取り組んでいくことが重要となっています。文部科学省では、栄養教諭制度の円滑な実施をはじめとした食に関する指導の充実に取り組み、また、学校における食育の生きた教材となる学校給食の充実を図るため、より一層の地場産物の活用や米飯給食の充実を進めています。<http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/syokuiku/>

文部科学省のいう「学校における食育の推進・学校給食の充実」は、給食を司る各地方自治体の教育委員会に周知徹底されているのでしょうか。

宮崎県は、「弁当の日」の提唱者、香川県綾川町立滝宮小学校校長だった竹下和男さんの講演に感銘を受けた渡辺義人・県教育長の呼びかけで「弁当の日」が10年度から始まり、11年度には日本一の広がりになっています。
<http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/jijou/tiiki/20120329-OYT8T00256.htm>
卒業生に贈った詩「弁当を作る」
<http://www.chiffonya.com/shop/kouza/titoku180.htm>

以下は、「もっと変な給食」の「はじめに」からの転載です。

子どもが学校を卒業したから給食とはもう関係がないということはありません。学校給食の問題は、子どもの関係者だけでなく、国民全員が考えなくてはいけない課題となっています。なぜなら、給食には税金が使われており、そして、給食を良くし子どもたちの健康を守ることが、国の医療費の削減につながることが明白だからです。本書を通して、多くの方が学校給食に関心を持ってくださることを心から願っています。


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