トップページ知って得する講座自然栽培は日本の未来を変える可能性を持っている!

自然栽培は
日本の未来を変える可能性を持っている!

「お父さん、あれ取って」

台所で女房が呼んでいます。指差す先の棚のいちばん上に、なにか箱が置いてありました。よっこらしょと踏み台に上って取ろうとしたのですが、わたくしの目は、その隣に置いてあるボウルに釘付けになりました。

「おいおい、ここにコメがあるよ」

女房はおコメを研いで水を張ったままのボウルを、なにかの拍子にそこに上げておき、それっきり忘れていたのです。

「あら、やだ。忘れてた」

と笑い、1ヶ月くらい前のものではないかといいました。水の表面には綿ぼこりなどのゴミがいっぱい溜まり、水はすこし濁っていました。

でも、水に浸かっている白米は、夏の盛りなのに、綺麗な白米のままでした。ふやけてはいましたが、臭い匂いはせず、発酵したような香りです。

「どうして腐らないんだろう?」

木村家で食べるおコメは、無肥料・無農薬の自然栽培のわたくしの田んぼで穫れたものです。
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以上は、今月発行された木村秋則著「百姓が地球を救う」より抜粋転載です。

ほとんどの人が食べているおコメや野菜は、一般栽培です。食材にこだわっている人で有機栽培でしょう。でも、一般栽培や多くの有機栽培で作られた野菜、おコメ、果物は腐ります。一方、自然栽培で作られたものは、腐らずに発酵したり、枯れてしぼむそうです。

2006年12月7日放送のNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」に出演し大反響を呼び、それを本にした「奇跡のリンゴ」がベストセラーになった、その主人公が青森のりんご農家木村秋則さんです。本日のメルマガは、その木村さんの最新刊「百姓が地球を救う」から抜粋転載しましたが、有機栽培より自然栽培を理解するために、著書のご一読をおススメします。

▼オーガニックに対する盲信と誤解

ここ37年間は無肥料・無農薬の自然栽培ひと筋のわたくしですが、有機栽培に反対なわけではありません。ただ、消費者の皆さんが有機=オーガニックを盲信しているようなのが気になっています。

有機JAS規格ができた2001年以降、有機栽培で収穫された野菜やおコメ、果物、それに加工品としてジュースやジャムなどがデパートや高級食材店に並び、

「ちょっと高価でもからだにいい食べ物がほしい」

という女性を中心に人気が高まりました。いまはスーパーはもちろん、一部のコンビニエンスストアでも取り扱われています。

レストランでも、

「これは有機野菜のサラダです。こちらのスープは有機食材のみで作られています」

というのが売り文句の時代です。

食べ物にとどまらず、オーガニックコットンで作られたタオルや有機素材の化粧品など、さまざまな分野で引っ張りだこ、政府は有機ブランドを守るために、一定の条件を満たしている田んぼや畑だけに「有機栽培」「オーガニック」の表示を認め、勝手に使うと法律で罰するようになりました。

皆さんは有機JASマークがついている農作物は、農薬を使っていないと思っていませんか?

有機栽培でも農薬を使います。

30種類が使用可とされています。木酢、硫酸銅、硫黄粉剤などです。

使用できるのは、そういった天然成分由来の農薬ばかりではありません。殺菌剤の石灰ボルドーに代表されるような化学合成農薬も含まれます。許されている農薬なら、使用量に制限はありません。

肥料についても誤解があるようです。

有機栽培は化学肥料を使うことを認めていませんが、有機肥料は使えます。また、天然に存在する無機物であれば、無機肥料でも使うことが認められています。

有機肥料が未熟堆肥だとしたらどうでしょう。

また、堆肥の原料である家畜糞尿の質もブラックボックスです。もし畜産農家が豚に与えているエサに化学物質が入っていれば、フンに化学物質が混じります。牛乳をたくさん得るために牛に使うホルモン剤や、病気を防ぐために使う抗生物質も、最終的にフンと一緒に出てきます。化学物質やホルモン剤、抗生物質が、有機肥料の一部になり、期せずして、有機栽培の田畑に施されることになります。

有機栽培は、

「生物多様性など環境を守り、自然と共生しながら、安心安全な農作物を作る」

といった理念のもと、志の高い農家が取り組んでいます。なかには「無農薬の有機栽培」を掲げてわたくしを応援してくださる方もおり、自然栽培へ移行する農家は、有機栽培の方々が多いのは事実です。

ただ、そういう農家はまだ少数派であることを皆さんに知ってもらいたいと思います。


▼耕作放棄地は自然栽培にとって宝の山

日本の農業は捨てたものではありません。

「農業従事者が260万人を切った」

「そのほとんどが、65歳以上だ」

そういわれていますが、一方で家庭菜園を愉しむ人が300万人を超えたというデータもあります。300万人もの百姓予備軍が控えているのです。

そして、その方たちが活動できる土地もたくさんあります。コメ余りのために「作付するな」といわれたり、農家の廃業などによって放置されている耕作放棄地(休耕田)です。

これが実は宝の山です。

肥料・農薬・除草剤を与えていない期間が長ければ長いほど、土は自然に戻っていますから、自然栽培に最適なのです。3年間も放ったらかしされていれば、まず肥料分は残っていないと思います。

耕作放棄地は、不便なところが多いのも好都合です。

これまで農業には、トラクターなどの農機が入れる平坦で画一的な土地が適していました。しかし、そういう場所はあまり水質がよくありません。人にとっても便利な場所が多いため、近くに住宅があり、どうしても生活排水が流れ込みます。名前はいえませんが、ある有名な大規模農地の田んぼなど、とても水が臭いのです。

一方、大きな農業機械が入れないようなところにある耕作放棄地は、周辺に住宅どころか農地も少なく、そのため一般栽培で使われる肥料分が沁み出すことはありません。水は間違いなく綺麗ですし、農薬が飛んでくることもありません。いくつかの法律をクリアする必要がありますが、もし土地を借りて自然栽培を行うなら最適な場所ですし、地代は極めて安いでしょう。
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▼以下、木村秋則著「百姓が地球を救う」の「あとがき」から抜粋転載です。

読者の皆さまには、肥料も農薬も除草剤も使わない自然栽培に興味を持ってもらえたらなぁと思います。

そして、消費者として支えてくださったなぁと願っています。

ぜひ選んでください。

ぜひ食べてください。

ぜひ声を上げてください。

市場ニーズが高まれば、自然栽培への流れはもっともっと加速します。


これまでわたくしたちは効率ばかりを優先させた結果、自分勝手な都合で大切なものをたくさん犠牲にし、大自然を汚してきました。

これからは地球を修復していく時代です。

地球に対していろいろ無理強いしてきたニッポンとニッポンの百姓の最低限の償いでもあります。自然栽培で食を正常に戻し、心を回復し、未来を変え、次の世代につないでいく時なのです。

21世紀の農業ルネサンスはニッポンから。

いちばん古くていちばん新しい栽培法・自然栽培を携えた、ニッポンの百姓の出番です。
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▼東京大学鈴木宣弘教授「TPPをめぐる議論の間違い」より抜粋転載
<http://tpp.main.jp/home/wp-content/uploads/d58e252c5ea75e0feb1ae7c3d802d9f7.pdf>

被災地の復旧・復興ということを考えるときにも基本になるのは、「コミュニティの再生」である。「大規模化して、企業がやれば、強い農業になる」という議論は単純すぎて、そこに人々が住んでいて、暮らしがあり、生業があり、コミュニティがあるという視点が欠落している。そもそも、個別経営も集落営農型のシステムも、自己の目先の利益だけを考えているものは成功していない。成功している方は、地域全体の将来とそこに暮らすみんなの発展を考えて経営している。だからこそ、信頼が生まれて農地が集まり、地域の人々が役割分担して、水管理や畦の草刈りなども可能になる。そうして、経営も地域全体も共に元気に維持される。20〜30ヘクタール規模の経営というのは、そういう地域での支え合いで成り立つのであり、ガラガラポンして1社の企業経営がやればよいという考え方とは決定的に違う。それではうまく行かないし、地域コミュニティは成立しない。これを混同してはいけない。

こうした政策と、TPPのような極端な関税撤廃とは相容れない。TPPはこれまでの農家の努力を水の泡にする。自由化は、もっと柔軟な形で、適切な関税引き下げ水準と国内差額補てんとの組合せとを模索しながら行う必要がある。つまり、「農業対策を準備すればTPPに参加できる」というのは間違いである。「TPPでは対策の準備のしようがない」のであり、TPPでは「強い農業」は成立できない。

たいへん多くのものを失った中で、何とか歯を食いしばって、その地で自分たちの生活と経営を立て直そうと必死に奮闘している東日本の農漁家の皆さんにとっても、その復旧・復興の気力を奪ってしまいかねない「追い打ち」になりかねない。
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▼以下、木村秋則著「百姓が地球を救う」の「あとがき」から抜粋転載です。

現在、日本は世界一の農薬使用国です。世界で第1位の除草剤使用国です。世界でいちばん効率と生産性を追い求めてやってきました。

その弊害として一部の農作物が輸出先の検査に引っかかり、「残留農薬が多すぎる」という理由で返品されるケースが報告されています。

でも、家電のように、あるいはマンガやファッションのように、メイド・イン・ジャパンの自然栽培が称賛を浴びる時代は、すぐそこまで来ているのではないかと思っています。

野菜はもちろん、おコメだってそうです。いま、世界中で普通に食べられるようになったおコメを、無肥料・無農薬で栽培している国はほとんどありません。一大産地の東南アジアは日本の農薬・肥料会社が現地に赴いて指導したこともあり、多くが一般栽培です。

そのおコメを全世界に提供していく――。

そのほか果物など、自然栽培で作ったものを、たとえば理解を示す企業の支援を受けながら、輸出産業化していく――。

決して夢物語ではないと思います。
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今回のタイトル「自然栽培は日本の未来を変える可能性を持っている!」は、慶応大学大学院SDM研究科、前野隆司教授の言葉です。

これまでの農業は、人間が環境を思いどおりに作り替え、人間の思いどおりに農作物を育てるという近代西洋流でした。自然栽培は、これを大転換しようとしている。日本初、日本流の農業である自然栽培は、世界のなかの日本のこれからのあり方を示唆している。今後も農業システムとしての自然栽培研究を、大いに進めていきたい。

「自然栽培のおコメが結んだ家族の絆」で、あとがきに代えさせて頂きます。
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これは、わたしに賛同してくれている、ある一家の話です。

そのこのオヤジさんが、

「これからは自然栽培で、肥料・農薬・除草剤を使わないおコメ作りをやっていこう」

と一大決心しました。そして、

「木村、教えてくれ」

ということでスタートしました。

初めの年はよかったのですが、自然栽培の性質上、やはり2〜3年目から減収し始めました。何をやっても収量は上がりません。15町歩あった田んぼのうち、7町歩は売りに出さざるを得ませんでした。

底なし沼です。黙っていても沈むのですが、もがけばもっと早く沈みます。時間が解決してくれるのをじっと待つしかないのですが、それが人間には難しいわけです。リンゴが実ってくれるまでに木村家が味わった思いを、オヤジさん家族も味わっていました。

日に日に高まる険悪な雰囲気のなか、もともと自然栽培に賛成ではなかった息子さんと大喧嘩になってしまいました。

「オヤジ!もう、こんな栽培やめろ。俺はきょうでやめる!」

そういって跡取り息子は家を出ていってしまいました。

それっきり音信は途絶え、生きているのか死んでいるのかもわからないまま5年の歳月が過ぎました。

その息子さんは、東京都内の食品会社でアルバイトをしていました。

ある日のこと、係長から、

「このおコメはとても特別のものだから、くれぐれも丁寧に扱ってね」

といわれてコメ袋を任されました。

「ハイ」と息子さんは答えましたが、

「俺だってむかし、コメを作っていたんだよ。いったいどこのだれが作ったものだよ、そんな大切なコメって?」

と思い、生産者名が書いてあるラベルを見ようとおコメの袋をひっくり返しました。

そこに書いていた名前を見た途端、涙が出てきて、気づくと膝をついておコメに頭を下げていました。書かれていたのは、まぎれもなく自分の父親の名前だったのです。

翌日、すぐに退職を願い出てアパートの部屋を片づけると、故郷へと急ぎました。

何年かぶりに戻った実家で父親に謝罪しました。母親も快く迎え入れてくれました。

いまは、親子仲良く一生懸命にコメ作りしています。泣く泣く手放した田んぼも買い戻し、23町歩まで増やしたといいます。

いつからか、生産者と消費者の距離はとても遠くなってしまいました。でも本当は、おコメひと粒、ご飯いち膳に大きなドラマがあるわけです。

どうか、皆さんにもそれを味わって食べていただければ嬉しいです。


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