トップページ知って得する講座オバマ大統領夫人が推奨する「ダイエット」とは!

オバマ大統領夫人が推奨する
「ダイエット」とは!

以下は、2月16日の日経ビジネスONLINEより転載しました。

ダイエットは、日本でも雑誌やテレビの人気トピックであり、みんなが話題にするものの、なかなか実現することが難しい「プロジェクト」です。

実に子供の3分の1が肥満とされている米国。この危機的な状況を打開すべく、ファーストレディのミシェル・オバマ夫人が推進役となって、「レッツ・ムーブ」プロジェクトがスタートしました。今後10年間にわたり、毎年10億ドル(約900億円)の予算を拠出して、肥満問題の解決にあたるという大掛かりなものです。

先進国の忙しい毎日の中で、なぜ肥満が進行するのか? それは、ライフスタイルの問題であると同時に、家計の問題でもあり、知識や意識の問題でもあります。

疲れた夜にドライブスルーの誘惑

ミシェル・オバマ夫人が、記者団に語るシカゴ時代の自分自身のエピソードにこんなものがあります。

「弁護士の仕事を持つ母親として、会議と子供たちのサッカーやバレー教室と駆け回った日の夜には、簡単で安いファーストフードのドライブスルーや、電子レンジで温めるだけの栄養バランスのとれていない食事を子供たちに出していた」−−。

自分がそうだったからこそ、多くのアメリカ人が、栄養バランスのとれた食事の大切さは知ってはいるものの、新鮮な野菜や魚などを買うための支出と、手に入れた素材を調理する手間と時間を考えるとき、それよりも数百円で手に入れることができる完成したファーストフードの魅力が大きいと感じてしまう。これは実感としてとてもよく理解できることだ、というのです。

テレビをつけても、クルマで街中を走っていても、ハンバーガーチェーン、ピザチェーン、タコスチェーン、などなど、さまざまなファーストフードチェーンの広告が目に飛び込んで来るのがアメリカです。言葉にすると日本でもそうだと思いそうですが、頻度が違います。今回のプロジェクトの年間900億円の予算はたしかに巨額ですが、ファーストフードチェーンの投下する広告予算の総量に比べたとき、「安い・うまい・早い」という彼らのセールスポイントに対して、「ちょっと面倒かもしれないけど、長い目で判断して、健康的なチョイスをしよう」というメッセージを伝えるには、必ずしも絶対有利とはいえない金額だと思います。

「当たり前ダイエット」の難しさ

日本でも、メタボリックシンドロームの診断と保健指導が2年前から本格的に導入され、(つい先日、診断基準の根拠が疑わしいとの調査報告がありましたが)、健康に生活するためのダイエットへの関心は高まるばかりです。

その一方で、「りんごダイエット」「バナナダイエット」「ゆで卵ダイエット」「ヨーグルトダイエット」「黒酢ダイエット」「朝食抜きダイエット」「週末断食ダイエット」などなど、実に数多くのダイエット方法が、テレビや雑誌などのメディアに登場しています。しかし、このダイエット法のリストは、長くなるばかりで短くなる気配がありません。結局のところどのダイエット方法も絶対的な効果というのはないことの、何よりの証拠と言えそうです。

健康的な生活を送るために必要なのは、短期間の特定の食材に偏った食事ではなく、長い期間、正しい選択をし続けるライフスタイルの確立なのだということは、多くの人が頭では理解していることだと思います。それでもなお、新たな特定食材ダイエット方法をメディアで見かけたとき、「今回のこれは、私のダイエットプロジェクトのファイナルアンサーなのではないか」という誘惑に打ち勝つのは難しい、ということなのでしょう。

ミシェル・オバマ夫人が陣頭指揮をとる「レッツ・ムーブ」プロジェクトでも、特定の食材を推奨するようなことはしていません。食材の正しい選択をして、体をもっと動かそう、という「当たり前ダイエット」です。

でも、この「当たり前」がどれほど難しいことか。ダイエットに何度もトライして挫折してきた多くの方にはご理解いただけると思います。

どれだけ多くの人や組織を取り込めるか?

「レッツ・ムーブ」プロジェクトの、キーとなる指針は4つです。

・健康的な食事に関する情報を取りやすくする
・学校給食の食事内容をより健康的なものに見直す
・健康的な食材の流通を増し、価格を下げる努力をする
・運動量を増やす

食材のラベルの表示(カロリー数や原材料など)をもっと簡単で理解しやすいものにするのであれば、食品メーカーの協力が必要になります。健康的な食材の流通量を増やすためにはスーパーマーケットチェーンの協力が不可欠です。他にも、運動量を増やすためのシンボルとしてのプロスポーツの選手の協力や、意識改革のために映画をつくるなどのエンターテイメント業界の協力など、さまざまな人や組織の協力が必要だと、ミシェル夫人は記者団に語っていました。

上で紹介した「レッツ・ムーブ」のキーとなるアクションはどれも、「バナナでやせる!」のような、雑誌の見出しになるようなセクシーさのない、当たり前のことだからこそ、手を変え品を変え、さまざまな場所で、さまざまな方法で、繰り返し説明し、実践するためのハードルを心理的にも、金銭的にも、下げていかなければならない、ということのようです。

それでも、アメリカでは年間に1500億ドル(約13兆5000億円)という莫大な金額が、肥満関連の病気治療のためにかかっており、さらにこの数字は年々増加する傾向にあるという中で、「レッツ・ムーブ」プロジェクトは、国家プロジェクトとしてスタートしました。現状のまま何もしなければ、アメリカ人の子供の平均寿命は、歴史上初めて、親の世代のそれを下回ることになる、という危機的な状況にあるのです。

アメリカ国内では「レッツ・ムーブ」プロジェクトに対して、「何を食べて、どんなふうに暮らすか、といったことは、個人の自由であり、人から指図なんかされたくない」という声があるのも事実です。

子供の肥満問題に警鐘を鳴らすことが、学校で太った子供へのいじめや、摂食障害を誘発するような極端な痩せ願望を助長することすることにつながるのではないか、といった指摘もあります。

健康問題に国が積極的に出来ることを探すべき

しかし、そうした肥満いじめや極端な痩せ願望もまた、正しい情報の欠如が原因のひとつにあるのです。健康的な生活を国民が送るために、病気になる前の段階での知識の充実や、ライフスタイルの改善を容易にするためのサポートは、国家にとって、財政面というソロバンの計算からも、国家の活力という観点からも、効果があがればリターンの大きなものだと言えるでしょう。

世界トップレベルの平均寿命を持つ日本も、欧米化した食生活や運動量の低下により生活習慣病などさまざまなマイナス傾向が現れています。また、危険なダイエット方法や、ダイエットに関する詐欺同然の悪徳商法なども珍しくありません。

アメリカの取り組みを、「たいへんだね」と他人事として片付けるのではなく、健康への積極的なアプローチとして、官民一体のプロジェクトを検討してみてもいいのではないでしょうか。

スダシン(須田 伸 すだ・しん)
サイバーエージェント ネットトレンド研究室長/コミュニケーションディレクター。1992年株式会社博報堂入社。CMプランナー/コピーライターとして「ACC賞」「日経広告賞」「消費者のためになった広告コンクール」などの広告賞を受賞。1998年カンヌ国際広告祭ヤングクリエイティブ・コンペティションに日本代表コピーライターとして出場。2000年にYahoo! Japanに転じてコミュニティサービス担当プロデューサーとして「ヤフー・チャット」を立ちあげ、「ライブチャットイベント」では初代「Y! Chat MC」として活躍。2002年より株式会社サイバーエージェントに勤務。同社の企業ブランドを一新する。現在は同社ネットトレンド研究室長。ブログとインターネット広告に関する著書として『時代はブログる!』(アメーバブックス)がある。「サイバーエージェント/アメーバ」は、2008年度グッドデザイン賞を受賞。


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