トップページ知って得する講座行動する哲学者 内山 節さん「木と森と文化」を語る

行動する哲学者 内山 節さん「木と森と文化」を語る

8月17日の読売新聞夕刊の「悠久の時間 大切に」と大書された、内山 節さんの「木と森と文化を語る」を紹介します。ご一読下さい。

群馬県上野村と東京に年間3分の1ずつ住み、あとは講演などが70〜80回あるのでいろんなところへ。上野村は1970年代、好きな川釣りで初めて行き、自然と人間の暮らしが一体で、景色が本当にきれいだったことに感動しました。なぜなのかを調べたいと思い、ここに住むのもいいなあと。

65年ころから、全国の川が極端に汚れてきた。なぜ悪くなったのか。周囲の森の状況も影響する。だから、木や森への関心を持つようになりましたね。

そんな中、木造文化財の補修用材が不足していると知った。国宝級建物では、何百年もたった木でないと使えない。これらの文化遺産を未来に伝えるための木をどう確保するか。2002年に有識者会議を作り、検討しています。奈良・法隆寺や京都仏教会なども協力してくれています。

不足の原因には林業の不振がある。安い外国産材が入って国産材は買いたたかれ、採算が合わないから後継者が減ってきました。

解決策の一つは相続税制を変えること。今は相続ごとに税がかかり、そのために木を切り、山を売る。木を売った時に何代かの税金をまとめて払うようにすれば、長期間かけて高く売れる木を育てられるんです。

材質問題もあります。補修用材として必要な250年の木を育てただけでは、必ずしも使えない。いい材質が必要なんですね。

だから有識者会議は、長い間、伐採しない山の一部を補修用材に提供する森として維持、育成することを登録してもらう制度「『文化材』創造プロジェクト」を昨年から始めました。

大切なのは、森とともに暮らしていく文化、社会づくりで、森との精神的なつながりを持つこと。求められているのは、長い時間とともに生きる暮らしを取り戻すことで、自然のような、変化しないか、ゆっくりしか変化しないものを大事にしないといけない。

農林業や漁業といった一次産業の盛んな所は、地域文化や伝統文化が豊富で、それをどう維持するかも課題です。一定の保護や手当てが必要で、ヨーロッパで行われている農家への直接補償は、環境維持や地域、伝統文化を守るという役割もあって見習うべきです。

日本の神社仏閣は、背後に森があることを見せた神仏習合の世界。しかし、明治の神仏分離令で神様領域の森が取り上げられ、後ろに自然の神々がいるという世界を壊した。本来の木の文化は、そういった自然信仰に裏付けられている。もう一度、神仏習合の世界を取り戻し、森の世界が見えるようにすべきでしょう。

もう一つは、地域の小さなお堂を大切にすること。自然に神仏と結ばれる原点です。お堂や辻の仏様が消えてしまうと、大きな寺に行っても単なるテーマパークになりかねません。

木の文化を守るのはなぜか。それは過去を持つことがなぜ必要なのかにつながりますが、人間がいろんなことを考えるための装置になるからです。例えば、「現代は何か間違っていないか」と思ったとする。過去があれば、戻って比較して考えられる。それがいっぱいあれば、思考の幅を広げることができるんです。

行政は林業をもっと支援すべきです。金具でがんじがらめに締め付けることを求める建築基準法も、立地条件に合わせて柔軟に対応できるよう変えてほしい。そうすれば、木の家を建てる機会も増える。林業を盛んにし、木造文化財を未来に伝える活動をもっと広めていきたいですね。 聞き手 柳林修

1950年生れ。都立新宿高校卒。元・立教大学大学院教授。出身地・東京と群馬上野村に住み、スローライフを楽しむ。学界を離れた自由な立場で、生きている人間の視点から、労働を思考軸に据えた実践的な哲学理論を展開し、幅広く活動する。NPO法人「森づくりフォーラム」代表理事、「文化遺産を未来につなぐ森づくりの為の有識者会議」共同代表。著書に「森にかよう道」「怯えの時代」「戦争という仕事」など。

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「その水を守るのは誰だ」から以下、引用です。
<http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090226/187414/?P=1>

「矢作川がダメになると、農業や漁業だけでなく、飲料水や工業用水のすべてがダメになる。その事実を、下流に住む住民はもっと理解しないといけない。でも、『水は水道局から来る』くらいに思っている人もまだ多いだろうね」。安城市にある明治用水土地改良区の竹内清晴総務課長は打ち明ける。

竹内課長は年1回、「水の環境学校」を開き、安城市や刈谷市の小学生を根羽村に連れていく。目の前の水がどこから来ているのか。なぜ山の管理が大切なのか。水はどこに流れていくのか。なぜ水を汚してはいけないのか――。こうした「水の循環」を子供たちに理解してもらうためだ。

川を作り出しているのは山である。山の管理が必要なのは山の水源涵養機能を高めるためだ。適切な間伐を実施し、表土に光を入れる結果、表土に多様な植物が成長し、天然のスポンジの如く水を染み出し続ける。そして、幾多の支流を集めた川は幹となり、海に注ぐ。川を汚せば、その海が荒れる。だからこそ、上流や中流で生きる人々は水の扱いに気をつけなければならない。

「この水循環を理解しなければ、山にカネを払ってもいいという気持ちにはならない。そういう人間ばかりになると、日本の未来は真っ暗になってしまう。だから、私たちは子供たちを根羽村に連れていくんですよ」。竹内課長はそう言った。水源保護にカネを使う。それを国民がどう考えるか。水源の森を生かすも殺すも、すべてはそこにかかっている。

日本人は水と空気と安全はタダだと思ってきた。だが、世界を見れば、多くの地域が水不足に悩まされている。資源がないと言われ続けたこの国。実は、気づかなかっただけで、国内に他国がうらやむ資源があったのだ。その水が危機に瀕している。「水を使う者が水を作る」。今一度、この言葉をかみしめる必要がある。

併せてご一読下さい!しのびよる外資、林業ブームの死角
<http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20090605/196891/>


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