トップページ知って得する講座続・農業を経済だけで判断しない。いのちの物差しで測ってほしい。

続・農業を経済だけで判断しない。
いのちの物差しで測ってほしい。

読売新聞に6月30日〜7月7日まで5回にわたって連載された「食ショック09」は「農地崩壊」がテーマでした。その最終回に、フランスが大規模化改革によって食料自給率122%になった例を紹介しているのですが、8日から公開されるドキュメンタリー映画「未来の食卓」によりますと、フランスは農薬の使用量がヨーロッパで最大だというのです。

前回のメルマガで紹介しました「農業を経済だけで判断しない。いのちの物差しで測ってほしい」の続編としてご一読下さい。

7月7日読売新聞「食ショック09」農地崩壊(5)より転載

仏、大規模化改革で成果

フランスは食料自給率122%、世界有数の農産物輸出国だ。2900万ヘクタールを超す広大で肥沃な農地が最大の強みだが、成功の秘密は農政にも隠されている。

パリから、古城で知られる仏ロワール地方に向かう幹線道路沿いは畑が延々と続く。小麦、大麦、エン麦、西洋アブラナ、アマなどを生産する大穀倉地帯だ。

トゥール近郊、モネ村のジェラール・ピロンさん(59)は、家業をついでほぼ40年。5人の親戚や隣人らが離農するたびに農地を引き取り、「仕事が大きくなる喜びを感じてきた」という。今では日本の農家平均の280倍に当たる約500ヘクタールの畑を、自分と従業員のたった2人で耕す。

自慢は、広げたアームが幅36メートル、車高が2メートル以上になる価格20万ユーロ(約2600万円)の農薬散布機と、誤差20センチの高性能全地球測位システム(GPS)を積んだ27万ユーロの刈り取り機だ。

第2次大戦後、深刻な食糧難に陥ったフランスでは、1960年代に農業改革に着手した。農地の流動化を促進するため特別の土地公社が設立され、生産性が低い零細農家から意欲のある農家へ農地を集約させた。同時に、厳しい土地利用規制(ゾーニング)を課して、農地の減少を防いだ。

60年に177万戸だった農家数は52.7万戸(2007年)と、半世紀でほぼ3分の1に減り、平均経営面積は17ヘクタールから56ヘクタールと40ヘクタール近く増えた。この間、農地の減少はわずか3%弱。石破農相は、「経営体の数の減少と規模拡大とのバランスが完全にとれている」と目を見張る。

日本の場合、農家戸数は60年(約606万戸)から約285万戸(05年)に53%減ったが、なお絶対数はフランスの5倍だ。農地は2割減り、平均耕作面積は約0.9ヘクタールから約1.8ヘクタールになったものの、面積ベースでは1ヘクタール増えただけ。専業が8割のフランスに対し、農業収入が他の収入より少ない第2種兼業農家が6割以上にのぼる。

大規模化が進まなかった原因は複数ある。農家の土地への愛着や、機械化による農作業の負担軽減で兼業が容易になったことなどだが、農村の票田に頼る政治家が、バラマキ型の農政を支持したことも大きい。07年には、農水省が補助金の対象を4ヘクタール以上の大規模農家に限る「品目横断的経営安定対策」を導入したが、自民党の反対で1年で規模制限を撤回している。

世界を見れば、有数の農業大国でさえ、大胆な農地拡大で競争力を維持してきた。まして高齢化と後継者難で農地が崩壊を始めた日本では、やる気のある農家に農地を集めなければ、「食」を支える最低限の基盤も守れない。将来に責任のある農政が求められている。
--------------------------------------------------------------------

「未来の食卓」に思う 辰巳芳子(料理研究家)8月4日読売新聞より転載

「食」と「命」は不可分

いつでしたか、フランスからスペインへと行った時のこと。農作物の大きさが両国でまったく違ったのが、強く印象に残っています。ヒナゲシの花もフランスの方がうんと大きい。それだけフランスは国土が肥沃なんだろうと思い、自然豊かな農業の国というイメージを持っていました。

ところが、ドキュメンタリー映画「未来の食卓」を見て、驚かされました。フランスは、農薬の使用量がヨーロッパで最大だというのです。映画の中では、農薬を使っている農家の方たちが、がんなどの深刻な健康被害に遭っていることも描かれています。食糧自給率100%を超える農業大国ですが、経済効率化を進めるとこういうことになってしまうのでしょう。

そんな状況の中で、南部のバルジャック村が立ち上がります。小学校の給食を無農薬の農産物で作る試みです。少々割高になっても、本当に安心できる食事にしようというのです。同時に、子供達は野菜作り体験もします。このように、子供のころから「食」と「命」と関係づけて考えさせることは、教育の基礎でありましょう。

映画で描かれるのはフランスの小さな村の話ですが、ひるがえって日本の「未来の食卓」はどうなるのだろう、と胸が痛みます。

日本の食料自給率はわずか40%。先進国で最低です。農村は高齢化し、後継者も育っていません。5年後、10年後の自給率はどうなっていることでしょう。輸出国側に何かあった時、日本に安全な食料を送ってくれる保証は何もありません。こんなことで対等の外交関係に持ち込めるでしょうか。

単に自給率を上げるだけでなく、命と呼応するはずの食物について、安心して食べられるのかどうか、素早く判断できなければなりません。店頭に並んでいるものを何も考えずに買っているだけでは、何を食べさせられているのか、分かりません。

私は5年前から、小学生が自分たちで大豆を育てる「大豆100粒運動」を提唱しています。これまでに参加した小学生は全国で1万5000人にもなっています。子供たちがそれぞれ手のひら一杯、100粒の大豆をまき、生育記録を作成しながら育て、収穫し、食べる。枝豆のまま食べたり、豆腐やみそ、きなこに加工したり。みそを300キログラム作った学校もあります。日本の食文化の基礎になっている大豆を実際に作ることで、自分たちが食べるものがどのようにできているかのか実感することができます。

「食べる」ということは、「生きる」ということ。映画で描かれる村の取り組みと同じように、私たち一人ひとりが身近なところから「食と命の関係」を考えることが大切です。
--------------------------------------------------------------------
映画「未来の食卓」は、8日から東京のシネスイッチ銀座、渋谷・アップリンクで、その後順次各地で公開。「大豆100粒運動」については、支える会事務局ホームページ(http://daizu100.com)。

農業を経済だけで判断しない。いのちの物差しで測ってほしい
<http://www.chiffonya.com/shop/kouza/titoku159.htm>


                         トップページに戻る                  ▲ページの先頭に戻る

サイトマップ商品一覧
ふんわりシフォン日記お客様のご感想集Mrs.KURIの簡単レシピ集ふれあい写真館

FLOURひろ:〒145-0071東京都大田区田園調布1-31-11:tel 03(5755)5050