トップページ知って得する講座食生活を乱したのは消費者自身

食生活を乱したのは消費者自身

14日のNHKスペシャル「追跡“国産食品”偽装」はご覧になりましたか。
日本向けウナギの養殖場やかば焼き加工工場が集中する中国福建省の業界は、日本からの注文激減で存亡の危機に立たされていて、再建にあたって、日本離れが始まっているとのことでした。今までうなぎの80%を輸入に頼ってきただけに、単純に「中国産」は×、「国内産」は○ということで良いのだろうかと考えさせられました。
食に関する知識や情報は多過ぎるぐらいですが、消費者が目先の利便性に流されるという意識の低さが問題であるという、神門善久さんの「消費者の本音は“手軽さ”」をご一読ください。

以下、神門善久著「日本の食と農」の「消費者の本音は“手軽さ”」から引用。
--------------------------------------------------------------------
要するに、消費者の本音は手軽さが第一で、食の安全だの安心だの、子供の健康などは二の次、三の次と考えたほうがわかりやすい。そう考えなければ、外食や中食の増加を説明することができまい。ホンモノ志向と称してデパ地下がもてはやされるのは矛盾もはなはだしい。デパ地下食品を家庭の食卓に並べるのは、値段の違いはあっても、基本的にはレトルト食品・冷凍食品を食卓に並べるのと同じである。

ほんとうに「食の安全・安心」や子供の健康をいうのであれば、消費者(大人)が自らで食材を吟味し、調理方法を工夫してこそである。小池信子氏(国民生活センター)が鋭く次のように指摘する。「幼児期に食を子供たちに伝えるのはお母さん以外にないと思う。そのお母さんの実態はどうかというと、中食といわれるように出来合いを買ってきて家族に与えている。出来合いの味は濃くて、砂糖やグルタミン酸を使っているから材料が悪くてもおいしいと感じて、家族はそれが本当の味だと思っている。スーパーの味に飽きたら、デパ地下で買い、次には駅中で買い、それにも飽きたらホテ一といってホテルの一階で売っているシェフがつくったものを買ってきて食べる。だから、先ずお母さんの食育が必要だと感じる」

「消費者は生産者の顔が見える関係を求めている」という類の論調が氾濫しているが、ほんとうだろうか? 八百屋・魚屋での購入を拒否し、スーパー・マーケット、さらにはコンビニへと、より手軽な食材調達に走ったのは消費者自身である。かつての八百屋や魚屋は、単に食材を売る場所ではなかった。食材の産地や調理の仕方はもちろん、献立の相談にいたるまで、濃密な情報交換があった。消費者自身が、セルフサービスの気楽さ利便さを求めて、対面販売の八百屋や魚屋から去っていったのである。

・・・中略・・・

筆者は、利便性に走ることを咎める気持ちはまったくない。大袈裟にいえば、少なくとも産業革命以降の人類の歴史は、消費者のわがままを許し、利便を高めることで発達したといえる。その結果、家庭の仕事の外部化が進み、それによって経済成長を遂げてきた。感傷的に利便追求を否定するのは非現実的である。

大事なのは、消費者の利便性追求のために、犠牲になったものがたくさんあるという冷徹な事実である。食の改善のために利便性追及を見直す覚悟(用意)ができているかどうかを、まず消費者が自らに問いただしてほしい。その覚悟(用意)がないのに、食の改善を求めるのは、消費者エゴである。

以下、神門善久著「日本の食と農」の「消費者エゴ」から抜粋引用。
--------------------------------------------------------------------
巨大都市のある消費者グループが、(ある研究者に)農薬公害のない野菜類の産直を発案してきた。子供たちのためを思えばなんとしてもここで無農薬栽培の野菜を確保したいという。近県で、それに応じてくれる農家を紹介してほしいという。(その研究者が)そのグループの会合に行くと100人をこす人達がいる。「こんな少人数でできるのだろうか」と、そこに集まった主婦たちは言うのである。「少人数は少人数なりにやれます」と(その研究者は)答えて話に入る。(その)研究者は言う。「無農薬で栽培してくれる生産者をみつける仕事は、私がやりましょう。ただし皆さん次のことを約束してください。高温多湿のこの国で無農薬を試みるということは、雑草と害虫を相手に戦争するということです。だからこの戦争を農家だけにまかせずに、あなたがたも参加してください。毎日でなくてよいのです。100人を5人1組の20グループに分けて、20日に一度ずつ、農家の畑にいって除草・駆虫を助けてほしいのです・・(中略)・・」と。・・(中略)・・自分たちが除草・駆虫労働に参加するのだということがわかった瞬間から、会場に集まった消費者の熱はさめていく。・・(中略)・・無農薬野菜は手に入れたい。だが、何かを手に入れるために肉体と頭脳を働かすことは、極力避けたいのである。いまのままの生活様式を保持しながら、無農薬野菜と有機農法の収穫物だけは口に入れたいというのが、巨大都市の消費者の虫の
よい思いなのである。

「曲がったキュウリでも」「形の悪いトマトでも」・・・(中略)・・・が、産直にあたって強調され、集まった消費者はその場では意識の高そうな顔をしてうなずく。だが、産直のふたをあけてみれば、かっこうの悪いもの、みてくれの悪いものは確実に残留していく。これが巨大都市の現実である。

まるで、現在のことのように思えるが、これらは30年前に書かれたものである。著者の秋谷重男氏は、青果物流通の専門家で、当時のブームであった産直についての彼の洞察をまとめたものである。「消費者の虫のよい思い」のためにコストを強いられる生産者や、消費者の欲求不満対策として短発的で、“お祭り”的な産直をやってみせる行政、それらを煽るマスコミ、・・と、まさに、30年前も今も、基本的な構造が変わっていないことに驚かされる。それだけ、消費者エゴという“古い”問題の根深さがわかる。
--------------------------------------------------------------------

2008年の世相を表す「今年の漢字」に「変」が選ばれました。
消費者、市民自身が「変」しなければならないところに来ているのでしょう。Change - Yes, we can


                         トップページに戻る                  ▲ページの先頭に戻る

サイトマップ商品一覧
ふんわりシフォン日記お客様のご感想集Mrs.KURIの簡単レシピ集ふれあい写真館

FLOURひろ:〒145-0071東京都大田区田園調布1-31-11:tel 03(5755)5050