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社会保険料の食生活連動性の提言

麻生首相は11月27日昼、社会保障費抑制に関し、20日の経済財政諮問会議で、「たらたら飲んで、食べて、何もしない人の分の金(医療費)を何で私が払うんだ」と発言したことについて、「病にある人の気分を害したなら、その点はおわびする」と陳謝し、「ふしだらな生活をしないで、(病気の)予防をきちんとすべきだというのが趣旨だ。予防に力を入れることで、医療費全体を抑制できる」と釈明しました。

2006年第28回サントリー学芸賞を受賞した「日本の食と農」の著者、神門善久(ごうど よしひさ)さんは、「食生活の乱れにしても、一因とされる加工食品の増加や外食の充実などは、消費者の利便性追求が背景にある。自らの怠慢を反省しないで、行政や企業に責任を押しつけるのは、消費者エゴだ」と指摘しておられます。

その神門善久さんの「社会保険料の食生活連動性の提言」をご紹介します。ご一読ください。
神門善久 1962年島根県松江市生。1984年京都大学農学部卒業。現在、明治学院大学経済学部教授。

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現在の怠惰な消費者(大人)に食生活の改善とリスク・コミュニケーションへの取り組みを求めるのは、たいへんなことである。理想論としては、消費者が自らを啓蒙・反省し、真の意味での「食への関心」を高めてほしいところである。しかし、それはあまり期待できないだろう。実際、「関心(または意識)を高める」という抽象的な精神論は、行政、研究者、消費者グループがよく使う言葉であるが、これくらいあてにならないものはない。

現実的な対応としては、社会保険料(介護保険を含む)に食生活を連動させることを提唱したい。自治体ごとに、連動用の予算枠を設け、食生活のよい家庭の保険料の全部ないし一部を肩代わりするのである。場合によっては全額以上、つまり報奨金を払ってもよい。食生活がよければ健康を害する危険性が減る(看護や医療のための社会的負担が減る)わけだし、将来世代への恩恵にもなるから、この発想は理に適っているだろう。

もちろん、このシステム(社会保険料の食生活連動性)を導入・運営するためには、行政にも人員・予算の負担がかかる。第8節で述べたように、トレーサビリティーの業務は行政でなく民間主導に切り替えて、同じ人員・予算をかけるなら、このシステムのために使うほうが理に適っている。これこそ、民間になじまない仕事なのだから。

難しいのは、どうやって食生活を把握するか、何をもって食生活の良し悪しを判断するか、の2点である。第1の問題については、消費者に証明責任を分担させる必要がある。幸い、現代はインターネットやデジタル・カメラなど記録用技術はずいぶん良くなっている。虚偽をしないよう、抜き打ち的な監視を行政が担当し、通常の記録は消費者に負担させる。証明責任を分担しない消費者には、高い保険料を払ってもらう。(社会保険料の代わりに消費税を高率にするという方法がある。この方法でも食生活のレポートをサボったり、漫然とした食生活をする人は高負担を強いられる)もちろん、連動の予算は、消費者に魅力を与えるほどじゅうぶんに大きくなくてはならない。

第2の問題については、行政や研究者の役割も大切であるが、それ以上に市民参加が必要である。食の安全・安心に万人が納得する基準がないのと同じように、何がよい食生活なのかも、人によって判断が異なるだろう。だからこそ、市民参加で討論をしていく必要がある。実は、そういう討論をすることが、食に対する関心を高め、リスク評価などにも貢献する。自治体ごとに地域色を出すなど、色々な工夫ができるだろう。

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「たらたら飲んで、食べて、何もしない人の分の金(医療費)を何で私が払うんだ」という話しによって、「予防に力を入れることで、医療費全体を抑制できる」という本旨を伝えることができなかったことは残念なことです。

今年からメタボ健診が始まりました。

厚生労働省は、糖尿病などの生活習慣病を予防し、医療費の削減を目指しているのですが、ペナルティーは受診率によるもので、健保組合に課せられるものです。ですから、食事や運動の指導(保健指導)の期間が終われば、元の生活習慣に戻り、効果が長続きしないのではないかという意見もあります。

神門先生の「社会保険料の食生活連動性」よりも、「社会保険料のメタボ健診連動性」の方が実現性があるように思うのですが、如何なものでしょうか。


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