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常に変化する日本料理!

林原美術館長・熊倉功夫さん
立命館大講義「日本文化の源流を求めて」読売新聞11月27日朝刊より転載

日本の料理には四つか五つのスタイルがあります。最初に、平安貴族が宴会で食べていた大饗料理。それから、寺を中心に発達した精進料理。日本食のハレの食事を作ったのが本膳料理。和風の結婚式に出てくる料理です。室町時代から江戸初期に完成する本膳料理の中から、新しい料理の革命が起こる。これがお茶の料理・懐石料理。このほかに、おばんざいという庶民の料理がある、という風に考えればいいかと思います。

おばんざいという言葉は、京都の庶民料理をいうようですが、本来は庶民の料理はみんなおばんざいで、家庭料理といっていいかもしれません。大饗、精進、本膳、懐石はどちらかというと、もてなし料理ですが、それに対して家庭料理がある。料理は常に家庭料理が基本。もてなし料理の改革の原点になり、もてなし料理が行き過ぎると引き戻す役割を果たしてきました。

大饗料理は平安時代に貴族が大臣に就任した時など、宴会の料理です。当時は中国ブームで、9世紀初めの嵯峨天皇は特にあこがれが強く、宮中から何からみんな中国風で、宴会も中国風。椅子とテーブルでご飯を食べた。

中国へのあこがれが徐々に消え、国風文化の時代になると、床に座り、小さなテーブルで箸だけで食べる習慣がでてくる。一人ずつが膳を持つスタイルが本膳料理です。

膳は一人用で、載せる料理の量が限られる。もてなしているという気持ちを、料理の種類や量で表しますが、一つでは足りないと、二の膳、三の膳を付ける。四つ、五つ、それでもと七の膳まで増え、八つの汁に三十二の料理なんていうと、もう食べきれるわけがない。料理の堕落で、そうなると革命が起こるわけです。懐石料理、茶の湯料理の登場です。特徴は、全部食べて残さないことと作り立てを運んでくれること。本膳料理は一度に料理を並べる平面羅列型ですが、懐石料理は出来立てを順に食べさせてくれます。

そういう懐石のいいところを取って、日本の食文化は江戸時代、大変な発達を遂げます。幕末には、現在の日本の食の技術、料理の種類というようなものは、大体全部出そろいます。

一方、精進料理はタブーが前提になっていて、例えば日本人は鶏を食べるということがなかった。庭の鳥、身内なんです。ところが外にあるものは、野鳥でもイノシシでも、魚でも何でも食べる。内と外という日本人の独特の感覚、空間意識と思いますが、身内にあるものは食べない。独特のタブー感だろうと思います。動物性のもの、おいしいものを食べないのです。精進というのは粗末な食べ物という考え方もあったようです。

それをおいしく食べるため、だしの文化が出てきます。これが、精進料理の中で発達し、日本人の微妙な舌の感覚が育成されてきたという面があります。

日本料理は、常に変化しています。その時の人の好みによって、変わっていく。押しとどめようと思っても無理です。後戻りができない。それを肯定しなければ、進まないんです。肯定する中で、一体何を選んでいくかということです。そこら辺がこれからの料理の行き方だと思います。

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ミシュランが選ぶ三つ星とは、「そのために旅行する価値がある卓越した料理」二つ星は「遠回りしてでも訪れる価値のある素晴らしい料理」そして一つ星は「そのカテゴリーで特においしい料理」とのことです。

「おばんざい」は、ミシュランに掲載されませんが、変化することなく、連綿と受け継がれていって欲しいものです。「おばんざい」こそ、世界に誇る日本料理の基本だからです。

ファーストフード化しすぎた今、おばんざいに戻る時なのかもしれません。


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