トップページ知って得する講座「京都で、古きよきもの、見つけました」

「京都で、古きよきもの、見つけました」

唐突ですが、質問したいことがあるんです。たとえば、新幹線などの車中で、ペットボトルのお茶をラッパ飲みするとき、いかがですか、抵抗ありますか。

ラッパ飲み、にです。

先日、グリーン車に乗った老夫婦が、ペットボトルのお茶を、持参の紙コップに注いでから、飲んでいる姿を見かけました。

おや、と思った。そうですよね、ラッパ飲みなんかできませんよね。上品で、美しい光景でした。ちょうど車窓からは、富士山が見えていたので、日本のあるべき姿を、考えたりしてしまいました。

そういえば、少し前までは列車で販売されるお茶といえば、湯飲みになる蓋つき容器のお茶でした。お茶っ葉が入っていて、買うと、その場で、お湯を注いでくれた。湯飲み替わりとなる蓋がややプラスチック臭いのが、難点でしたが、でも、あの容器には淹れる、という行為が残っていた。

いつの間にか見かけなくなりました。急激なペットボトル茶の普及に、私を含め、みんなラッパ飲みに抵抗がなくなったということなのでしょうか。美しい女優さんが、寝ころびながらラッパ飲みするというCMが、大量に流れれば、しょうがない。でも、お行儀の悪い、というだけでなく、ラッパ飲みのお茶では、お茶の文化も、居場所がなかろうというものです。

お茶というのは、喉が渇いたから飲むというより、上等な時間を手に入れるために飲むところがあります。もてなしの時間であったり。新幹線の老夫婦、ご主人のお茶は、奥さまが注いであげていました。

一方、わが家ときたら、せっかく並んで座っても、おのおのの茶を、ラッパ飲みするだけ。いかん、いかん、と反省しきりだったのでした。

それだけではなく、ふだんから、日本人として、もっと茶の時間を大切にしなければ、と思ったのでした。余談ですが、ひと頃、紅茶に凝っていたことがあり、今でも紅茶を淹れるとなると、砂時計まで用意して、俄然、あれこれこだわりをはじめる。昔ながらの京都の土間のダイドコなのに、ここは欧米か、と突っ込みが入りそうな、気合が入ったティータイム。何をやってるんだか、と思います。

やはりわが家の土間のダイドコ、囲炉裏に似合うのは、冬ならば、黒豆茶あたりです。里山の恵みとでもいうのでしょうか。豪快に煮出して淹れるところが、冬にはありがたいんですね。熱々の湯飲みで掌を温めながら、湯気を感じながらいただく。丹波に行くと、お土産にこれを買ってくる私です。

玄米茶のように緑茶とブレンドされたものでなく、黒豆のみ。麦茶にきなこを混ぜたような感じでしょうか。香ばしい。イソフラボンを多く含んでいて、美容にもいいですよね。でも、二十代の友だちにあげたなら、豆を入れたマグカップに、ポットのお湯を注いで飲んでいるという。ああ、ペットボトル世代だものね。と苦笑してしまったのでした。

文:麻生圭子<http://www.keiko-aso.com>VISA 2007FEB+MAR 413より


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