トップページ><知って得する講座続「いただきます」命もらって人は生きている!

続「いただきます」命もらって人は生きている!

霊峰・富士を望み、清流・芝川が傍らを流れるホールアース自然学校キャンプ場。調理場の前の広場では、神妙な顔つきをした小中学生たちが2羽のニワトリを見つめていた。「かわいそうだなあ。殺すの見たくないよ」「まだ卵を産むかも。別のに替えようか」子供たちは、同校が飼っている約40羽の中から、2羽を解体用に選んだ。さかんにニワトリの尻を触っているのは、「尻の骨の間隔が狭いニワトリは卵を産まない」と教えられたからだ。

小学4年から中学3年までを対象に、同校が夏休み中の2週間開いた「富士山冒険学校」。各地から参加した子供たち27人は、富士山登山やパラグライダーなどに挑戦した。その最終日前日に、そのプログラムが用意されていた。

飼育小屋の清掃やえさやりなど、ニワトリの世話を毎日続けてきただけに子供たちの心境は複雑だ。そんななか、指導員の佐々木拓史さん(29)が言った。「パックで売られている肉がどこから来るか分かってほしい。そして、美味しく食べましょう」

まずは、佐々木さんが解体の手本を見せる。子供たちは、じっと見守っていたが、反応は様々だ。「うわー。すごい」と間近で目を凝らす子や、「かわいそう」と言いながら遠巻きにのぞく子がいる一方、女子の数人は離れたベンチで泣き出してしまった。

それでも皮をはぐと、見覚えのある鶏肉だ。子供たちは意外にもてきぱきと切り分けていった。「2羽目に最初のナイフを入れたい人は?」佐々木さんの呼びかけに、手を上げたのは、このキャンプに3年連続で参加している静岡県内の小学6年生。

ナイフを持つ手に力を込める瞬間、この男子児童は思わず「ごめんよ」と、ニワトリに謝ってしまった。「最初の年は、見てられなくて泣いていた。でも、今は食べられてくれて、ありがとうと思う」

肉と骨は夕食のフライドチキンとスープに使われた。解体時に泣いていた子供も、「残したらかわいそうだよ」と言いながら食べた。とはいえ、消費者がなかなか家畜の解体現場に接する機会がないなか、こうした授業は学校でするのは難しいようだ。

秋田県の小学校で2001年、ヒヨコから育てたニワトリを解体する授業を計画したところ、親たちの抗議で中止になった。

静岡市の小学校教師森竹高裕さん(40)は、その経緯を記した新聞記事を教材にした道徳の授業を6年生を対象に03年から続けている。「深く考え込み、迷う子供が多い。愛情を持って育てることと、食べるために殺すことの両方を小学生に教えるのは難しい」というのが、森竹さんの感想だが、こうも話す。「いちがいに賛成、反対と言えないのも確か。指導者が目的意識を持って行うことが大切なのでは」

ホールアース自然学校も、動物愛護団体から抗議を受けたことがある。しかし、代表の広瀬敏道さん(54)は「これは殺すためではなく、食べるためのプログラム。「命」を食べて生きている人間の義務と役割を味わってほしい」と話している。

東京都内では従来、カラスのエサになる小動物や昆虫が少なく、自然の状態での成育可能数は7千羽とされる。ところが2001年には3万6千羽に達した。「私たちの出す膨大な残飯が、カラスをこんない増やしてしまった」

日本の食料自給率は約4割。先進国の中でもきわめて低く輸入に依存している。にもかかわらず「国内で捨てられる残飯は年間約700万トンに上り、価値にすると10兆円を越える。東京−大阪間で計画されるリニア中央新幹線の建設費に相当する額だ。

「自然と共生」なんて生やさしい言葉を使う前に、人間が自然から命を奪ってきたことを思い起こすべきですね」と新潟・山形県境の山奥で昔ながらの猟に同行して4年の直木賞作家熊谷達也さん(47)。

「だれに『いただきます』と言っているんだろう?」「お母さん」「農家の人」「漁師」などという答えが返ってきた。「食べものを恵んでくれる太陽や水や土」と答える子も。「もうひとつあるよ」さらに聞くと、今度は誰も手を挙げない。結城さんは、地元にある「魚介類供養塔」の写真を示した。「人間は人間以外の生き物を食べて生きていますね。漁師は僕らに代わって、魚たちに『ごめん』って謝っているんです。命が形を変えたのが食べ物。それに対して、ありがたい気持ちを持つ。それが『いただきます』という言葉の意味です。「食べることは生きること。子供の柔らかい心に、この大もとの真実を伝えることこそが『食育』の基本です」とは仙台市在住の民族研究家、結城登美雄さん(60)。

「だれに『いただきます』と言っているんだろう?」とご家庭でお子様に問いかけてみてください。


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